内容説明
階段から落ちて頭を打ち記憶を喪った男。気がついた時には重しをつけて海に沈められそうになっていた。いったい私が何をしたというのか。そして私は何者なのか。混乱と焦燥の中で私が掴んだ複数の事実は、自分が有名人らしいと告げていた!?人間存在の根幹に迫るノンストップ・サスペンス。
著者等紹介
司城志朗[ツカサキシロウ]
1950年、愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒業。放送作家を経て小説家となる。’83年、『暗闇にノーサイド』(矢作俊彦との共著)で第10回角川小説賞を受賞。’94年、『ひとつぶの砂で砂漠を語れ』で第3回開高健賞奨励賞を受賞。’98年、『ゲノム・ハザード』で第15回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさきち
27
なんだか読み進めれば読み進めるほど肌にあわないと感じた一冊。魂が抜ける一族やいかがわしい宗教などの設定もディテールが甘く納得がいかず、その消化不足感がラストまで続いてしまった感じです。2015/05/01
ヤスヒ
10
司城さんの作品は少し前に読んだ「恋ゆうれい」に続いて2作目。階段から落ちた事から記憶をなくしてしまった主人公。気づくと何故かある組織から命を狙われるハメに・・・という幕開け。前半の主人公が陥った状況、それが何か分からなかった時点まではとてもサスペンスフル。「恋ゆうれい」でもそうだったが先が読めないドキドキ感もあった。・・・が今回は敵の正体がわかった辺りからちょっと回りくどく、そしてゴチャゴチャしてしまい読むのに一苦労。ストーリーとしては面白いのだけれど少し疲れてしまった。2017/04/19
sadapon
6
ある人物から呼び出された主人公は時間に遅れまいと急いだことが原因で階段から転落し記憶を失う。そして気がついた時は見知らぬ男に車に乗せられ海に捨てられそうになっていた。必死の思いで車から脱出したが、何者かに命を狙われる事になる。限られた情報を基に自分を辿っていくと新興宗教への関わりやもう一人の重要な人物の存在が明らかとなる。 この作品は単純に記憶喪失でもなく、「転校生」のようなものと思いきやそうでもないです。なんだか斬新な感じを受けました。雑然感が残りましたがラストもしっかり逆転劇があって楽しめました。2021/11/18
おぎにゃん
4
不思議な小説だ。最初は記憶喪失サスペンス、中盤からは新興宗教が絡む蘇りホラー…そしてラストのドンデン返し…何とも不思議な小説としか言いようがない。佳作です。2014/02/21
寝る子は育つ
0
何がきっかけでこの本を手に取ったのかは忘れてしまったが、司城作品を初めて読んだのがこの作品だったと思う。 ということで、最近のマイブームの再読シリーズなのですが、毎度毎度で悲しいくらいなーんもストーリーを覚えていないので、新鮮な気持ちで楽しめます。 展開が急と言えば聞こえはいいですが、ラストは少々強引かつ楽に流れた感は否めませんが、まぁ良しとしましょう。 せっかくのキャラたちをもう少し目立だせるのもありだったかもしれません。最後の方は誰だ誰だかわかんなくなっちゃいました(苦笑)2014/07/01