内容説明
結婚七年目の人妻・杏子は夫からのドメスティック・バイオレンスに晒されていた。虐待の事実を胸に秘し、心の傷を癒すためガーデニングに熱中する彼女は、ある日自分とは住む世界の違う一人の男性と出会い、危険な恋へと落ちていった。江戸川乱歩賞作家が描く濃密な大人のラブ・ストーリー。
著者等紹介
渡辺容子［ワタナベヨウコ］
東京都生まれ。東京女学館短期大学卒業。２０代前半からジュニア小説家として活躍。その後、大人向けの小説に転身し、’９２年、『売る女、脱ぐ女』で第５９回小説現代新人賞受賞。’９６年、『左手に告げるなかれ』（講談社文庫）で第４２回江戸川乱歩賞受賞
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感想・レビュー
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あつひめ
70
偶然DVものを続けて読んだ。何故逃げないの？もっと早くに助けを求めないの？と思う私はそのDVの恐ろしさを知らないからなのだろう。他人だった二人が共に暮らす。ある日突然豹変されたら…。傷つけられる日常の中で植物という癒しで気を紛れさせる。でもそれって解決じゃ無いんだよね。夫の元を離れてからのことがとても気になるけど…きっと野に咲く草のように強くなってくれると信じたい。まあ、男を見る目は無さそうだから、しっかり自分で自分を守ってほしいな。女の幸せは男次第だよなぁ…。2014/06/18
papako
24
サスペンスでもなく、恋愛ものというより、一人の女性の人生の分岐点の物語。DVに追い詰められ、ガーデニングに逃げる主人公。そして、出会いがあり。。DVのなかで、だんなが家計簿をつけて1円の無駄も許されない。ゴミをチェックされる。おそろしい結婚生活です。。。殴る以上に不気味。2013/06/24
あっ!chan
17
迫力あるドメスティックバイオレンスのシーンは、読んでいて気分が悪くなる。弱味につけこんで女性に暴力を奮う男は、同性として絶対許せない！そのぶんガーデニングとの関わりあいは(自分は趣味にしているからかもしれないが)ホッとさせられた♪主人公だけでなく同じように苦しんでいる女性がたくさんいるという…だからこそ１日も早く自立して幸せになってほしいと思う。それがガーデニングでも不倫がきっかけでも、そして最後には男に頼らずかな？2014/08/09
Megumi Ichikawa
10
題名に惹かれて、図書館で借りる。大人のラブ・ストーリー。夫からDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けている杏子。ガーデニングに熱中し、道具を買いに行ったお店で、運命の出逢いをする。加茂との出逢いは！お互い既婚であっても惹かれ合い、恋に落ちていく。加茂に助けられ、家を出る杏子。女の自立を応援したい。2015/02/10
だい
5
夫の暴力、生活力のなさという理由から耐える妻。そんな中、恋をした男に助けられながら自立をしていく女を描く。終章は、男と女の関係を超えた、人としての優しい思いが垣間見える。信じられないような光景に胸が痛むが、夫婦間の問題は他人には理解できない部分が多く、克服は永遠のテーマではなかろうか。2017/01/12
