内容説明
医師・宗伯と間違われ闇討ちを受けた梅安が、翌日依頼された仕掛けは、宗伯と因縁の深い蝋燭問屋・伊豆屋長兵衛であった。宗伯と長兵衛の関係を調べるうち、二人の許されぬ悪事を知った梅案は、地獄贈りの殺し針を研ぎ始める―。表題作「梅安蟻地獄」のほか三篇を収録した仕掛人・藤枝梅安シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
151
梅安シリーズ2作目です。4つの話が収められていますが、最初のは短編ですがあとの3編は中編といった方がいいのかもしれません。鬼平と比べるともうしこし人間関係などを詳しく語っているような気もします。梅安の子供の頃の話が出てきて同じ境遇にいる子供が気になって・・・・。殺し屋の話ですが人間らしさというものを感じさせてくれます。2017/07/08
KAZOO
100
藤枝梅安シリーズ2作目です。この作品はどちらかというと恨みを晴らすものが多いようでした。梅安と二人で行ってきた仕掛けに、ある浪人が加わってきます。ある老女の敵を討つ話です。この浪人はもと鬼平犯科帳に出てくる道場にいた人物でかなりの手練れです。また町方の親分が殺されその仇を討とうとしますが仕掛けを依頼されて、それをうまくやり遂げ、ついでに…、ということで話がうまく続きます。何度読んでもいいですね。2023/11/24
ひらちゃん
62
藤枝梅安二巻目。小杉十五郎はこの後も関わってくるのかな。ちょっと楽しみです。梅安と彦さんのねっとりした掛け合いが癖になりそうです(笑)ここに小杉さんも加わるのかしら?不憫な子の姿につい自分の過去を重ねてしまう梅安に、人間臭さが強い登場人物たち。この先にも様々な仕掛けが待っているんだろうな。続けて三巻へ。2018/10/18
優希
56
地獄送りの殺し針を研ぎ始める姿を想像するだけで格好良いです。人を殺し、人を生かす。仕掛け人は悪だけれど、梅安は悪に浸りきってないのが良いですよね。2023/04/26
bookkeeper
55
★★★☆☆ 再読。 2巻になって、音羽の半右衛門とか西村左内とかTVでお馴染みの名前が出てきた!でもゲスト的な扱いなのか…? メインの登場人物では小杉十五郎がいいね。お馴染みの彦次郎と梅安さんの信頼関係もとても居心地いい。もう少し後になると世相は虚無感に満ちて「他人が死んでも知った事じゃないし、誰も信じられないし!」的な時代劇も増えていくんだけど、やっぱりこっちの方が好き。 藤枝宿で不憫な子供を気にかけたり、生きている実感を得る為におもんさんに逢いに行ったり、陰影に満ちたリアルな生き様って感じ。2018/07/19