内容説明
一九九四年六月に発生した「松本サリン事件」で、警察は第一通報者・河野義行氏の自宅を被疑者不詳のまま、家宅捜索した。マスコミ各社は、一斉に河野氏を実名で連日報道。被害者で無実の人間が、いったいなぜ「犯人」扱いされてしまったのか?報道被害の実態と要因を明らかにし、克服の方法を提示する。
目次
第1章 私のマスメディア体験―誰のため、何のための報道か!
第2章 マスメディアの暴走
第3章 子どもの立場から見た松本サリン事件報道
第4章 世紀を越え続く犯罪報道の犯罪
第5章 自分の体験から「オウム追放運動」を語る―法を守らない行政と感情で動く住民の方が怖い
第6章 メディア・リンチから人間にやさしい報道へ
第7章 対談1・なぜ報道被害は起こり続けるのか
第8章 対談2・メディアとどう付き合っていくべきか
第9章 法規制を避けるため今こそ報道評議会の設立を
資料 虚報の責任と改革案―マスコミ各社と警察に聞く
著者等紹介
河野義行[コウノヨシユキ]
1950年愛知県生まれ。名城大学卒。1994年に起きた松本サリン事件の第一通報者。警察に家宅捜索、事情聴取をされたため、マスコミは事件の容疑者として大きく報道。だが、無実が明らかとなり、マスコミ各社は謝罪した。2001年春、その事件をもとにした映画「日本の黒い夏―冤材―」(出演・中井貴一・寺尾聡)が公開された
浅野健一[アサノケンイチ]
1948年香川県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、共同通信社に入社。本社社会部、ジャカルタ支局長などを経て、同志社大学文学部社会学科教授。「人権と報道・連絡会」世話人。著書に『犯罪報道の犯罪』(講談社文庫)など
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感想・レビュー
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Ikuto Nagura
かつどん