講談社文庫
松本サリン事件報道の罪と罰

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  • サイズ 文庫判/ページ数 396p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062731201
  • NDC分類 070.15
  • Cコード C0195

内容説明

一九九四年六月に発生した「松本サリン事件」で、警察は第一通報者・河野義行氏の自宅を被疑者不詳のまま、家宅捜索した。マスコミ各社は、一斉に河野氏を実名で連日報道。被害者で無実の人間が、いったいなぜ「犯人」扱いされてしまったのか?報道被害の実態と要因を明らかにし、克服の方法を提示する。

目次

第1章 私のマスメディア体験―誰のため、何のための報道か!
第2章 マスメディアの暴走
第3章 子どもの立場から見た松本サリン事件報道
第4章 世紀を越え続く犯罪報道の犯罪
第5章 自分の体験から「オウム追放運動」を語る―法を守らない行政と感情で動く住民の方が怖い
第6章 メディア・リンチから人間にやさしい報道へ
第7章 対談1・なぜ報道被害は起こり続けるのか
第8章 対談2・メディアとどう付き合っていくべきか
第9章 法規制を避けるため今こそ報道評議会の設立を
資料 虚報の責任と改革案―マスコミ各社と警察に聞く

著者等紹介

河野義行[コウノヨシユキ]
1950年愛知県生まれ。名城大学卒。1994年に起きた松本サリン事件の第一通報者。警察に家宅捜索、事情聴取をされたため、マスコミは事件の容疑者として大きく報道。だが、無実が明らかとなり、マスコミ各社は謝罪した。2001年春、その事件をもとにした映画「日本の黒い夏―冤材―」(出演・中井貴一・寺尾聡)が公開された

浅野健一[アサノケンイチ]
1948年香川県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、共同通信社に入社。本社社会部、ジャカルタ支局長などを経て、同志社大学文学部社会学科教授。「人権と報道・連絡会」世話人。著書に『犯罪報道の犯罪』(講談社文庫)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ikuto Nagura

7
河野義行氏の講演の論旨は明快だ。警察もマスコミも一市民も、たとえオウムに対しても推定無罪の原則を貫けと。そして、大学生とは思えない程しっかりしてる息子の河野仁志氏も、社会に蔓延る「悪いものに対しては何をしてもいいんだ。それは正義だというような思い込み」が報道被害を生み出し、その既成概念を振り払うには、いつでも被害者にも加害者にもなりうるという想像力が必要だと主張する。オウムによるサリン被害、警察による冤罪被害、マスコミと私たちによる報道被害という、絶望を経験した家族がたどり着いた言葉を真摯に受け止めたい。2015/03/19

かつどん

2
以前放置してあったものをようやく。被疑者として報道被害に遭った河野氏と終始支援の立場である浅野氏との講演内容等まとめたもの。日本における推定有罪の考え方に異議を唱えている。もしも自分が突然、とんでもない事件に巻き込まれ、しかも被害者/もしくは被疑者と位置付けられたら。警察、マスコミの本質についても体験した者の切実な思いがつづられている。誰からも守ってもらえなくなる時、どう動いていくのが良いのかを学ぶためにも大切な一冊だった。罪を憎んで人を憎まず、の視点に頭が下がる。2018/08/04

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