内容説明
アメリカがまだ若く、人々に力と勇気が満ちていた時代。ブッチとサンダンスは列車や銀行を襲い、追手と戦うのを仕事にしていた。しかしある日、二人は噂に聞いた謎のゴーストを探しアメリカ横断の旅に出る!全編を貫くパロディー精神。そして詩情も豊かな言葉遊び。21世紀文学を予言する著者渾身の力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまうま
4
改めて、高橋源一郎という作家のポテンシャルに驚いた。たぶん高橋さんみたいなタイプの文章って、中島らもやカートヴォネガットと一緒で、ガハハと笑い飛ばしながら読むのがいいんだろうなと勝手に推測する。僕も基本的に同じスタイルなんだけど(同じでありたい、と思っている)「文学なんてちゃんちゃらおかしいぜハハハ」路線で猛進しながらも、文学が好きでたまらない、というのが本書のような気がする。だから文学ちゃんちゃら路線を走っていない人がコレを読んでしまうと「松尾芭蕉をバカにすんじゃねぇよ高橋ファックだよ」2012/11/02
午後
1
「ペンギン村に陽は落ちて」の章の死の描写がすさまじい。いつか僕が死ぬ時も、こんな感じなのかしら、と思えた。最高にロマンチックな、これ以上ないくらいロマンチックな小説だった。2017/04/19
天城春香
1
「失われた○○を求めて」2017/03/01
中山りの
1
この小説を読む以前にぼくが経験していた物語、アニメやまんが、現実世界の人物などが出てくる。それらの既存のイメージが、物語の進行を妨げているような気がして、読んでい異物感があった。しかし、しばらくすると既知のものが小説の中に再構築されていることで、現実世界を歪められている感覚になり、不快ではなくなった。 いろいろなかたちがあり、ばらばらでありながらもまとまっているような世界を感じた。2013/03/30
臓物ちゃん
1
「ペンギン村に陽は落ちて」の所で泣いた。不覚にも泣いた。不覚すぎ。あの部分だけ童話にできそう。2012/06/14