内容説明
中欧チェコの美しい街並みを残す古都プラハ。その波乱に満ちた歴史と人物、記念的な建築物を辿り、歴史の余韻を体感する。プラハが身近になり訪れてみたくなる本。
目次
第1部 「プラハ歴史劇場」の多彩な登場人物たち(プラハに花開いた芸術家・文化人;劇的な運命、「プラハ歴史劇場」の主役たち;歴史に輝く大学者たち)
第2部 古都プラハの建築と記念物を辿る(歴史の始まり―プラハ城とフラッチャヌィ;宗教改革の舞台―旧市街とヨゼフォフ;壮麗な建物が聳える―新市街;プラハ城の城下町―小地区(マラー・ストラナ)
ヴルタヴァ川の上の要塞―ヴィシェフラット)
著者等紹介
石川達夫[イシカワタツオ]
1956年、東京都に生まれる。東京大学文学部を卒業。プラハ・カレル大学留学の後、東京大学大学院人文科学研究科博士課程を修了。神戸大学国際文化学部教授。スラヴ文化論専攻
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
105
まず第1章ではプラハに所縁の芸術家―モーツアルト、スメタナ、ドヴォジャーク、カフカ等―が取り上げられているが、ここは我々読者にも馴染みの深いところ。以下、第2章は歴史上の人物、第3章では学者達と続くが、このあたりでは宗教家のフス以外は馴染みがない。第Ⅱ部では、プラハ市内の各地区が取り上げられ、それらが形成される歴史的経緯などが語られるが、読み物としては今一つ面白味には欠けるようだ。全体を貫く核となる中心を欠いていることが冗長さの一因と思われる。スラブ文化論専攻の著者ならではの独自の視点が欲しいところだ。2015/08/19
杏
11
憧れの都市プラハ。美しい街並み、スメタナ、ムハ、プラハ城、カレル4世、フス派、などの個々の印象から一歩進んでプラハ並びにチェコをもっと知りたくなる一冊。2017/05/03
おとん707
9
「プラハ歴史散策」という緩い書名であるがこれは編集者の意向だそうで、もとの案は「プラハ歴史劇場」だったそうだ。この本を片手にプラハを散策すればプラハの歴史的名所の由来や意味を知る絶好のガイドになると思うが本書の本当の主題は散策のお供ではなく原題のように歴史の再現であろう。そのためか気楽な読み物というよりは歴史の教科書を思わせる。しっかり頭に入れて読もうとすると歴史の試験勉強をしているような気がする。資料として貴重だがもう少し散策気分も味わいたかった。幾多の破壊を受けても今なお美しさを保つプラハは奇跡だ。2021/06/29
うえ
6
細かい項目ごとに別れたプラハにまつわる偉人や作家、音楽家などについて語ったもの。チェコの宗教改革者フスについての記述もある。「フスは、コンスタンツの公会議に召還されて赴いたが、皇帝に身柄の安全を保証されていたにもかかわらずそこで捕らえられ、尋問の末、1415年7月6日に火刑に処せられた。…フスは真実以外の何物にも従わないという態度を貫いて、決然として死に赴いた」フスはカトリックから悪魔的な異端者として扱われていたが、フス火刑五百周年にあたる1915年にプラハ旧市街広場にフス像が除幕されたという。2023/03/06
takao
3
ふむ2023/12/21