内容説明
国と企業に蔓延する安全管理意識のあまりの貧困。その底に流れるヒューマン・ファクターの軽視を、日航機の事故処理25件の実務家が体験に基づいて指弾。
目次
第1章 前代未聞のハイジャック事件
第2章 航空事故処理担当
第3章 事故防止のための安全管理とは
第4章 安全管理の根源にあるもの
第5章 ハインリッヒの法則
第6章 ニアミスの危機管理
著者等紹介
山本善明[ヤマモトヨシアキ]
1937年、東京に生まれる。学習院大学政経学部を卒業。1960年に日本航空入社後、’62年から’78年まで法務担当として、ニューデリー事故、モスクワ事故、クアラルンプール事故など23件の航空事故処理に携わる。その後、ニューヨークの米州地区支配人室勤務を経て、’82年から運航本部業務部次長。日本業務の傍ら、羽田事故など2件の事故処理も手がけ、’85年から運航本部運航乗員健康管理部長、また’92年からは健康管理室副室長として、安全問題に大きく関わる乗員の健康管理体制の確立に努める。1994年に日本航空退社。著書には『墜落の背景―日航機はなぜ落ちたか』(上・下 講談社)がある
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感想・レビュー
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mazda
31
日本航空の事故処理担当だった方が、過去の日本航空の事故の経緯と問題点について書いています。羽田沖墜落事故は衝撃的でしたが、それ以上に機長が精神疾患を抱えつつ、それでもずっと搭乗続けていたことに衝撃を受けました。ニアミス事故では、管制官に実刑判決が下ったことで幕を閉じましたが、万が一衝突していたらと考えると本当にぞっとします。会社における安全対策は、国における国防と同義だと言うことですが、同感です。何も起きないようにするためにコストをかけるという感覚が、我々には少ないかも知れません。2015/09/10
Riko
1
図書館で借りた2020/02/17
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
0
☆×4.0…今経営再建中の会社ですね。これを読めば、何で経営再建になる羽目になったかは理解できるのではないでしょうか。とにかく資金の使い道や無駄な軋轢が多いですので…これにはあるうそ!と思えるような事故があります。私が生まれる前に起きた事故ですが今では絶対にありえない事故です。何せ「統合失調症」だったのですから。報告はとにかくクルッテルの一言。周りの人が気づいていれば…絶対に起こらなかったでしょう。事故の背景よりも会社の甘さが気になる本でした。2010/09/30
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