出版社内容情報
すべてがアンパンマンに結実する反骨の人生「自己犠牲のない正義なんてあり得ない!」。強くてかっこいいだけのヒーローに疑問を感じ、アンパンマンを生み出したやなせたかしの原点を、少年青年期にさぐる 小学初級から
内容説明
みんなのヒーロー、アンパンマンを生んだやなせたかし。彼は漫画だけではなく、童話や詩、アニメなど、さまざまな世界で作品をつくり続けている作家なんだ。ぼろぼろのマントを着て少年にパンを与えるという童話の主人公から生まれたアンパンマンに、どんなメッセージが込められているのかな?小学校3年生~中学生向。
目次
第1章 父・母・弟
第2章 父の見た風景
第3章 顔のない主人公
第4章 アンパンマン飛び立つ
第5章 何をして生きるのか
アトムと博士のQ&A
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
22
娘経由。以前は古本でもプレミアがついてとても手が出せなかったそうな。ちょっと泣けるよと貸してくれました。…確かに。若くして亡くなった父、子どもを手放して再婚するしかなかった母(身近にもそう言う話がありました)、引き取ってくれた優しい叔父にも気を使っていたやなせさん。アンパンマンを描き続けたやなせさんの思いが伝わって来ました。何年前かに高知のアンパンマンミュージアムに娘たちと行ったのも良い思い出。懐かしい「詩とメルヘン」のバックナンバーが置いてあって感激。2021/11/21
ほんわか・かめ
14
父を早くに亡くし、育ててくれた伯父さんも亡くし、両親のいない身だから国のために潔く散れと命じられ、復員してみれば弟は戦地で亡くなっていた…。終戦を迎え正義とは一体何かと自問する。悪を倒すヒーローがもてはやされる中、悪を倒すために街が犠牲になる姿に疑問を抱き、刺激ばかりを追求する世の中を憂い、そして生まれたヒーローがアンパンマンだ。子どものいない夫妻にとって、アンパンマンこそが私たちの子どもだと伝える妻のぶさんの言葉に胸が熱くなった。2025/05/27
メープル
11
やなせたかしさんの生涯を漫画で描かれてます。肉親をすべて失ってしまっても、ご自身の描かれたキャラクターが自分の子供のようなもの。やなせさんにはたくさんの子どもがいるんですね。アンパンマンは生きる喜びを教えてくれる。2020/10/20
YUTAKA T
8
マンガ家の人生を描いた伝記で読みやすいですが、<手のひらを太陽に>の歌詞を書いた話といい、<アンパンマン>をつくった話といい、本当に仲の良かった奥様が亡くなられて絶望したときに、アンパンマンに勇気を与えられて頑張ろうと決意していく姿勢などなど、あまりにも素晴らしい内容でした。(^^)/みなみさんの書いたやなせたかしさんの本のレビューを読んで、この本のことを思い出して書きました。(*^ー゚)b2003/03/04
古谷任三郎
4
アンパンマンの生みの親であるやなせたかしが、生前だった時に作られた伝記漫画。幼い頃に父を亡くし、母と離れ離れになったり、中国で戦争を経験し、優秀だった弟は海軍に徴兵され戦死するなど壮絶な人生を歩んだ。それが彼の代表作であるアンパンマン誕生へと繋がる。来年の朝ドラのヒロインにもなる妻・暢との出会いと別れ、教科書にも載っている「てのひらを太陽に」のエピソード、サンリオとの意外な関係など話題に豊富である。やなせは、本当の正義とは何か、真のヒーローとは何かを問い続け、その答えをアンパンマンに託したのである。2023/12/15