内容説明
「未来を知りたくないかい?」六年生の夏休み前日、作家を夢みる風太は未来を百円で売る“未来屋”猫柳さんに呼びとめられた。風太の住む髪櫛町では、昔からかくれんぼをすると最後まで見つからない子がいるといわれる神隠しの森や首なし幽霊の話、人喰い小学校の噂、人魚の宝の謎が言い伝えられていた。宝物が隠されている!?そんなことを信じるほど、子どもじゃない。だけど猫柳さんの口から出ると、ひょっとすると本当に宝物があるんじゃないかって思えてくる。二人の自由研究の先に、どんな結果が待ちうけているのか、未来屋の猫柳さんには見えているのだろうか…。
著者等紹介
はやみねかおる[ハヤミネカオル]
1964年三重県生まれ。三重大学教育学部卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本を探すうちに、自分で小説を書きはじめる。1989年『怪盗道化師』で講談社児童文学新人賞に入選、翌年刊行される。2001年、長年つとめた教師を辞し、現在は専業作家。ジュヴナイル・ミステリー界のまぎれもないスペードのエース
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
58
通勤途上の約40分で読了。これだけの長さを、全く退屈なしに一気に読めたのは文章がすぐれている証拠だろう。ふしぎな〈未来屋〉猫柳青年との出会いと、彼にふりまわされっばなしの夏休み。さぞ風太にとっては不愉快だったかも。それでも猫柳を憎めないのは、推理力の優秀さに圧倒されたからにちがいない。「神隠し」の正体を探っていく過程が、いかにもよくできている。架空の町の話だが、こんな町が日本のどこかにありそうな気がしてならない。とりあえず一冊で完結なのだが、続編やスピンオフがあったら、ぜひ読んでみたい。2015/01/08
junkty@灯れ松明の火
40
1人ミステリーランド祭開催中!町で偶然あった未来屋猫柳さんと風太くんの夏休みの冒険物語。小説家を目指し、町で起きる神隠しの謎に挑む風太くん。でも毎回間違った推理を披露して猫柳さんに馬鹿にされちゃいます。まあ小学生だからしょうがないです。小学生の夏休みの心情と謎解きがとても良くマッチしていて、昔の気持ちを思い出しました。8月31日の夜はホント憂鬱だったな…。小学生の皆さん、宿題はお早めに〜♪2011/08/18
Penguin
34
猫柳さん…気になるキャラだなぁ…実際何者なんだろ? 小学校6年生で、小説家になりたい風太の夏休みの冒険譚。 小学生のとき、学校の木造旧校舎での肝試しを思い出した♪2012/04/09
kishikan
30
はやみねかおるの作品を読んだのは、これがはじめてなんだけど、印象に残るものがありますね。この本は、大人も子供も読める(だっていっぱいルビがふってある)、でもどちらかというと大人のそれもかつては男の子だった者のためという気がするのですが、どこかノスタルジックな、それでいて行間に昔の記憶や小さい頃の夢を呼び起こす不思議な物語になっています。こういうのって、直接的じゃなくて好きなタイプです。2008/05/18
usarlock
23
図書館本です。小学6年生の風太は「未来屋」を名乗る怪しいオジサン、猫柳と出会う。風太は未来屋と共に町に伝わる神隠しの真相を明らかにしていく。はやみねかおるさんは初めてだったが、子供向け作品ということでサクッと読めた。その分少し物足りなくも感じましたが…。風太が作中で書いている「少年名探偵WHO」という作品は実際にあるんですね。ちょっと読んでみたいかも、ネコイラズくん。2014/09/28