内容説明
『薔薇の名前』はなぜ書かれたか。ポストモダンの混沌とした現代に開かれていく記号論の可能性。
目次
序章 哲学者にして小説家
第1章 中世からの出発
第2章 TVとアヴァンギャルド
第3章 記号論へ
第4章 物語をめぐって
第5章 小説家として
第6章 ヘルメス主義に抗しつつ
終章 グラシアンとエーコ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
30
『言語の七番目の機能』を読んで、学問的な題材を扱った探偵小説である以前にその領域はまさに記号論でありエーコも登場するとなると、真っ先に想起させたのは『薔薇の名前』でした。そこで『言語の七番目の機能』が思いのほか容易に理解できるように、やはり以前読んだ『薔薇の名前』も凡人と名探偵のように、同じテクストを読んでいても分かる人と分からない人に分かれるんだなとも思いました。幾分か探偵に近づきたいと思いつつ、当のエーコはTV局で働いていた経歴を持ち、凡人と名探偵を横断する「開かれた作品」を志向しています。2021/04/17
顔人
1
難解なエーコの思想を読み解くために必要な道標。一方で専門用語が解説なく突然現れることもしばしばで、完全に入門編かというとどうかと思うところも。2023/11/20
へんかんへん
0
フーコーの振り子とかの人2015/03/26
ukknok
0
物語における読者のアンチョコとして読んだ。2011/02/23