内容説明
イギリス貴族のジュリアン・ケストレルは、イタリア滞在中に親しくしてもらった侯爵の死をパリで知り、ミラノに赴く。愛憎うごめくマルヴェッツィ家で犯人を捜そうとするジュリアンの前に思わぬ結末が…。人気作家ロスの遺作にして、アガサ賞最優秀賞受賞作。華麗なる北イタリアが舞台のミステリー巨編。
著者等紹介
ロス,ケイト[Ross,Katherine J.]
米国東部のウェルズリー・カレッジ、イェール大学法学部を卒業して法廷弁護士となる。1993年、「ベルガード館の殺人」でデビュー。「マルヴェッツィ館の殺人」で’98年度のアガサ賞最優秀賞を受賞したが、’98年3月12日、ガンのため41歳の若さで逝去。著書は他に「フォークランド館の殺人」などがある
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感想・レビュー
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あら
6
ジュリアンの秘密が明かされる。頑張って最後まで読んで良かった。終わりかたも良かった。続きがないのが悲しい。2024/09/02
円盤人
5
別荘に突如、幻の歌手オルフェオの歌声が流れ……という幕切れを見せた上巻。下巻は第二の殺人、意外な人物の告白、地下洞窟の冒険、犯人との対決、と乱歩も真っ青の王道展開へ。正直オルフェオの正体まではお腹いっぱいであったものの、きちんと伏線をしいてサプライズを盛り込んだエンターテイメント性は評価できる。「また新本格ブームにあやかったような邦題を……」と思ったが、読み終わってみたらそう外れた印象でもなかった。ケイト・ロス、これが遺作とはあまりに悲しい。紳士探偵ジュリアンの活躍、遡って読んでみることにしよう。2018/02/02
ハルト
3
再読。おもしろかった!事件の解決もだけど、それ以上に、ケストレルという人物の内面や背景を知ることに興奮した。作者が亡くなられているせいで、もう続きを読むことが出来ないのが悲しい。2009/05/07
kthyk
2
ケイト・ロスはマルヴェッツィ館の殺人、フォークランド館 の殺人、ベルガード館の殺人(講談社文庫)の作者。 ボストンの弁護士であ った彼女はわずか4作を書いただけで1998年他界した。 初めて読んだマルヴェッツ イ館、19世紀初頭のミラノそしてコモ湖周辺のヴィラを舞台にした巧みな推理劇、オペラ全盛期の音楽と建築がドラマを支えている。 フォークランド館はロンドンが舞台、 なぞの主人公ジュリアン・ケストレルの秘密がテーマ。 音楽好きの貴公子、ダンディな振る舞いと明晰な頭脳、一時代前のポアロ的楽しみがある。2020/10/16
まる
2
下巻から一気に面白くなった。この人の新しい話が読めないのは残念…。2011/03/05