内容説明
「自分が、いったい誰なのか知りたい」コンピューターも扱えない老いぼれ探偵に舞いこんだ依頼は、若く美しい女メラニーの実父探しだった。養女だった彼女の出生の秘密とは?這いずり回るような捜査の末、ついに突きとめた父親の恐るべき正体。ハードボイルドの巨匠が放つ名無しの探偵シリーズ最高作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
25
昔“名無しの探偵(オプ)”シリーズは新潮文庫を読んでいましたが、未訳も含め2000年までに26作が出ていたよう。で、これは22作目。60歳間近の“名無しの探偵”の結婚式で幕を開ける冒頭に驚きながら読み始めたら、これが望外の面白さ。23歳の美女からの依頼は、養子である自分の実の両親を探してほしいというもの。ところがこの調査がとんでもない事件にゆきあたる。探偵事務所にコンピューター導入の一幕も楽しい時代背景で、なんといっても終盤50ページのサスペンスに興奮! いまさらながら気になるB・プロンジーニです。2021/06/30
bapaksejahtera
6
名無しの探偵第22作。たしか第12作ぐらいまでランダムに読んだ。本作で主人公は終に60歳となりケリーと結婚式を挙げる。そこに依頼人が現れ自分が両親の実子ではないとして出生の経緯究明を依頼してくる。依頼人の出生の秘密が明らかにされるにつれて事態は急迫の度を加え、ついに魔の手は主人公にまで及ばんとする。テンポは次第に速くなり凶悪犯の犯行の実態が明らかとなる。読み手は更に頁を急ぐ。プロンジーニ作品は必ずしも気に入った物ばかりではないが、今回は傑作の部類ではないか。名無しの探偵を遡って読みたくなる。2020/04/24
ank
2
79件の暴行と4人の殺人は凶悪ですが、割りとさらっと読めて読後感もよい。続きが気になって一気に読んだ!2022/11/26