内容説明
お待たせしました!小三治まくら。出演料代わりにマタギから手に入れた熊の胆に始まり、芸者屋の娘・笑子との切ない、数奇な縁、句会、パソコンはバカだ!!まで、いよいよ面白く、辛口で温かい長短21編。再度、ご機嫌伺います。少しお高い枕ですが読み心地抜群。人生の滋味あふれるスーパーエッセイ。
目次
小さんにも事務員さんにもなる名前
熊の胆の話
笑子の墓
わたしの音楽教育
香港、台湾句会
初めてのハワイ
蛍
初高座
Which is my way?
黒門町の『癇癪』
廻し
クラリネットと『センチメンタル・ジャーニー』
夫婦の“えん”
刈りたての頭
病気のあれこれ
野田君のこと
パンダ死す。円生も
外人天国
宇宙は膨張している
パソコンはバカだ
餅つき大会
著者等紹介
柳家小三治[ヤナギヤコサンジ]
1939年東京都・新宿区生まれ。本名・郡山剛蔵。落語家。中学時代『落語全集』(小社刊)で落語に出合う。’55年都立青山高校入学、出来たての落語研究会に入部。ラジオ東京「しろうと寄席」で15週連続勝ち抜き一躍スターに。東京学芸大学を目指すが浪人。両親の猛反対を押し切って、’59年五代目柳家小さんに入門する。小たけの名で前座。’63年二つ目に昇進、さん治と改める。’69年17人抜きで真打ち昇進、十代目小三治を襲名した
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感想・レビュー
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ミカママ
496
前作のレビューにも書いたような気がするが、とてつもなく頭の回転が速く、一方でほうぼうへ対する好奇心のアンテナがビンビンに立っていた方だったんだなぁという印象。作中では鈴本と鎌倉での高座が多かったようだ。鎌倉といえばわたしも前回(推し目当てで)訪れたのは能楽堂。東京まであんなに近いのに、すぐご近所で芸術・文化に触れられる彼の地の幸福がつくづく羨ましい。言っても詮ないことだが、生前にお噺をリアルで聴きたかった。合掌。2021/10/13
ケイ
128
面白いんだけど、やっぱり読むより聴く方がいいなあ。読みながら頭の中で文章を小三治さんの声に変換しているのだけど、本当の声で聴きたいと思った。会場の笑い声やね、息遣いまで聞こえてくるようではあったけれど。CDやyou tubeがあるなら、文章で読むのはもったいない気がした。内容は、とっても面白くて、含蓄があって、ホロリとさせられました。2017/02/16
初美マリン
111
過保護は罪、自分で歩くこと。なんか今の日本変かもしれない。と笑いながら思った2021/03/20
greenish 🌿
58
落語も面白いがまくらも秀逸…甘辛・硬軟取り混ぜた21篇のまくらコレクション第2弾 ---前回の『ま・く・ら』で呵呵大笑だったから…号泣ならぬ、抱腹する準備は出来ていた。しかし予想に反していい噺でした(笑)。”マイルドな毒舌”で語られる教育への社会への痛烈な一家言は、よく仰ってくださったと快哉を叫びたいくらい。とは言えそこは滑稽噺の名手。起承転結もなく、伏線回収も忘れ、オチサゲもなかったりな蛇行運転でもしっかり笑わせ、本筋に繋げる。どんな些細な日常でも”噺をつかまえてくる”慧眼はさすが。破壊力抜群でした!⇒2017/06/30
chantal(シャンタール)
56
今回も面白かった〜2000年になる頃の話が多かったので、なんだか懐かしかったけど、あの頃と今って、社会的な問題とか、あまり変わってないような気がする。落語する方が楽って言う師匠の言葉、すごくよく分かる。枕はその時の時事問題などをうまく取り入れて、自分の事を話す訳で、しかもそれで笑ってもらわないといけない訳で、ものすごく高度な話術だよなあ。日本人はいろんなものに守られすぎと言う話が特に良かった。NZのスキー場の高速リフト乗り場に「乗れないやつは乗るな」と書いてあるって話。ほんとに奥の深い話だった。2024/09/27