内容説明
ダイアナの父、辣腕で鳴らすチャーンウッドは、我々の企みをすべてお見通しだった。破格の手切れ金を提示されたガイは、マックスの許可も得ず頷いてしまう。それが、思いもかけぬ殺人劇の発端になろうとは!やがて、船上の恋の結末は周囲の人々の運命を翻弄してゆく。名匠ゴダードが放つミステリー・ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アヤネ
5
上巻は、「詐欺師ガイの次の仕事は」と軽い出だしで始まったのだが、下巻はなんという展開!ガイが何度も罠に嵌り状況が何転もするうち、読んでる私もガイと一緒にヴェニスや知らない町で奮闘しているのに気づく。そして、最期の最期まで「いったいどうなるの?」と読まされてしまった。ガイもマックスも登場人物全員が傷を持つことになった「あの戦争」とは?物語が終わった時には、訳者あとがきにも記されているように、「はるかな道を歩いたはずが、気がつけば、もといた場所に立っている」まさにそんな旅から戻ったような物語だった。2012/02/22
Kitinotomodati
4
途中、主人公の兄で戦争のPTSDに苦しむフェリックスの台詞に、泣かされそうになったので、この幕切れには好感が持てる。しかし二転三転コロコロと、転がされたものだ。2020/07/10
花神
2
展開は相変わらず読ませるし、「いつでも、あの戦争だ」のような登場人物の感慨など印象深いところも多い。しかし、個人の問題に還元するにはいささか事件の背景を拡大しすぎたきらいがある。第一次大戦の勃発の背後には秘密結社が・・・っていうのはちと興醒め。2009/09/18
YM
1
前半から予想されるように、二転三転する。悪人どもの夢の跡。悪人は、いつか善人になる。2019/10/30
こみっく
1
救いのある終わり方にじんときた。歴史は勝者が作るというが、その陰にはこんな陰謀もあったのかもしれないと思わされた。追っ手がちょっと手緩い感じはあったが、ガイが親友だったマックスを想い続けているところや、ダイアナと安易に結ばれなかったのもよかった。2019/02/26
-
- 和書
- 日本国国憲案の研究