内容説明
元テキサスレンジャーの弁護士ビリー・ボブが依頼された少女レイプ事件。捜査を進めるうちに平和な田舎町は、どす黒い素顔を見せはじめる。名匠ジェイムズ・リー・バークが、癒せぬ傷を抱えた男の誇りと哀しみを円熟の筆致で描くネオ・ハードボイルドの最高峰!1998年度MWA最優秀長篇賞受賞に輝く話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
38
正統派ハードボイルド。土地や家族に縛られながらも己の生き方を貫く人々。主人公は元テキサスレンジャーで弁護士のビリー。冷静な男かと思いきや愛する者を守るためには暴力も辞さない熱い男。誤射してしまった相棒の亡霊とともに生きるビリーに、そのビリーを父とは呼べない息子が嵌められたレイプ殺人。腐敗している保安官事務所に怪しい麻薬取締官、お金持ちにそのバカ息子、着任したばかりの美しい保安官助手、得体のしれない前科者と役者は揃って田舎町の膿がこぼれ出すのだ。曾祖父の日記がアクセントとなり物語に彩を添えてる。大好物です。2016/05/28
ペグ
37
ジェームズ・リー・バーク初読です。登場人物の殆どが辟易する位下品です。主人公ビリーボブもあまり好感は持てませんがLQナバロなる人物((^.^))との交流はビリーの後悔と成長なのかもしれません。そのような場面の中、隣の男の子ピート、容疑者ルーカス、私立探偵テンプルが気持ち良いです。そして最後の場面がそれまでの清濁混淆の物語をノスタルジックに閉めくくります。映画を観る様に読んでいました(^_^)v2016/06/03
白玉あずき
10
これは評価まっぷたつだろうな。この腐りきった世界と暴力性。これをハードボイルドとして楽しめるかどうか。著者のパワーは認めるけど、はっきり言って主人公も登場人物も誰一人として好きになれない。テキサスの嫌なイメージがさらに悪化。裁判場面でルーカスにあんな事言わせる主人公にはもう嫌悪感。ファンの方ごめんなさい。2014/03/11
woo
9
MWA最優秀長編賞、他の本でCWAも取ってるジェイムズ・リー・バークの初読み^^ 確かに悪くはないし最後まで止められないんだけど、登場人物がそこまでややこしく入り組んだ関係にならんでも(笑)読んで損は無かったけど追いかける気にはならない作家かなぁ^^;;2018/03/08
がぁ
3
受賞作のこの作品もすばらしいが、先日読んだ二作目のほうがより深みを増していると感じた。進化しつづけるのが楽しみだ。2011/08/08