内容説明
『アンクル・チャビー・ショー』は、全米最大の人気番組だ。「俺はテレビで一番笑える男なんだぜ」主演のライルは、カリスマ的な人気を誇るコメディアン。だが、スタッフの誰もが憎む暴君だった。自叙伝執筆を引きうけた“ホーギー”はTV業界の陰謀渦巻く制作現場に乗り込む。そこでは不穏な空気が立ちこめていた…。人気絶頂のコメディアンに隠されていた恐るべき秘密とは?ホーギー・シリーズ第6弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シキモリ
23
元売れっ子作家のゴーストライターと愛犬が探偵役を務める<ホーギー&ルル>シリーズ第六作目。テレビ局を舞台に、暴君と名高きコメディアンの周囲で怪事件が勃発するという粗筋。ウィットに富んだ台詞回しや立体的なキャラクター造詣は魅力的だが、著者自身も携わるTVドラマ業界の物語だからか、宜しくない方に筆が乗った様子。脚本会議の様子をここまで仔細に描く必要はないだろうに。終盤ギリギリまでエピソードを積み上げた挙句のこのラストも少々頂けない。不満はあるが、ブックオフで見かけたらついレジに持って行きたいシリーズではある。2023/01/09
Yuji
2
前作「女優志願」が重厚大作の完成形。シリーズものの宿命で今作は難しい。どう処理するのか興味深々でした。結論は、やっぱり素晴らしい出来。人気絶頂コメディアンの自伝作成に首を突っ込む主人公。例によって彼が関係すると死体の山が出現するというお約束の展開。ギャグライターとコメディアンの横暴、プロデューサーの思惑、取り巻きの強力女性キャラ達。建前と欲望と男女関係の渦巻き。ギャグプロットをライター達が即興で仕上げてゆくあたりは、うなってしまう程のリアリティ。(人気ないのが不思議。理由は文庫絶版という事実でした。。)2014/01/12
ウサゲマン
2
結末についてはまあ想定した通りだったし、メリリーとの一件もそんなに意外って程じゃなかった。結局のところホーギーシリーズは定番的展開、安定した筋の物語なんだろうなあ。自分としてはホーギーが辛く悲しく歪なことを目の前にしてそれでも前向きに変わっていく様な展開だったりした方が深みが出るような気もしたのだけれど1番ありがちでハッピーな物語に落ち着いてしまった。あとアンクル・チャビー・ショーのスタッフのその後をもう聞きたかったかな。彼らがこのゴタゴタとどう向き合い現在と過去にどう折り合いを付けるのがに興味があった。2010/09/13
黒上豊
1
シリーズ6作目。今回はテレビのコメディ番組を制作するチームに加わるホーギー。相手となるのはチームのボスで、番組の主役を演じる男。番組の制作過程で事件が起こり、脚本変更を余儀なくされるストーリー。さらにボスは傲慢で、自分を絶対的な存在であることを前提にスタッフに仕事を求めるので、彼を悪く言う人間は多い。陰口を叩く所は某有名掲示板のノリである。さて、今作はいつもよりも登場人物に過去を語らせている(と感じる)。それだけに本筋から逸れる話題も多く、加えて長めであるが、そこは気力で乗り切りましょう(笑)。2014/03/30
マジあん
1
ミステリはかなり読んだが、これほどイヤな犯人に出会ったことはない。ただ、残念なことに、これほど共感できる犯人にも出会ったことはない。 相変わらずホーギーの語り口はオシャレでカッコイイです。2013/03/12