内容説明
孤独な老嬢たちが住む女子アパート。突如始まったアパート移動工事と同時に奇怪な事件が続発。老嬢たちの過去も次第に暴かれていく。(『大いなる幻影』)。大手食品会社社長の死体が発見され、元社長秘書の男が逮捕された。事件をめぐり少壮の検事と老獪な弁護士の熾烈な戦いが始まった。(『華やかな死体』)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由多
22
佐賀潜『華やかな死体』はやや魅力不足。戸川昌子『大いなる幻影』は同潤会の大塚女子アパートをモデルにし、老女一人一人が抱える濃厚なドラマが加味された「奇妙な味」が効いていてミステリにとどまらない妙味があった。他の戸川作品も読んでみたい。2020/10/20
みっちゃん
19
「大いなる幻影」複雑だが巧みな構成でぐいぐい引き込まれた。1962年の乱歩賞受賞、ということは、50年以上前の作品。過去の栄光のみを楽しみとするような老嬢達が住む女子アパート、150室の鍵を開けられるマスターキーを巡る物語。今では考えられないような設定だが、戦後の香りを色濃く残した昭和30年代ならありかな。とても読み応えのある作品だった。2015/11/24
nac
4
★★★⭐︎2024/07/27
ばかぼんまま
0
戸川昌子の大いなる幻影、すばらしいです。なーんか、ミモーマモーのイメージが付きまとうのは私だけ?また、読もうかな~。
通りすがりのブッカー
0
【大いなる幻影】意外な逸品。偶然で解決するのはいただけない。乱歩賞のなかでは、珍しい作かも。2012/12/13