出版社内容情報
【内容紹介】
’70年代のほろ苦い青春を描く短編連作集。
ラストシーンを憶えてる?もちろんと僕は答える。あのラストシーンが好きなのとヨーコは言う、どこにも行かなくて済むっていうものを見つけなさい。基地の街から出てきた東京はひどく退屈で、麻薬とセックスと音楽に明け暮れる中で、映画だけは強烈な魅力にあふれていたのだ──。平林たい子文学賞受賞作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kazi
28
結構面白い。私の中で村上龍の作品としては69に次ぐ大当たりかも。セックス・ドラッグ・ロックンロールを肯定する訳ではないが、この60〜70年代的空気感はちょっと味わってみたかったです。エッジの効いた過剰な文体も凄いのだが、ところどころいい塩梅で“抜け”というか、笑える要素もあったりして、トンガリ過ぎないところがまたいいです。この短編集にリストアップされてる映画作品の中では『レイジング・ブル』が圧倒的にNo. 1フェイバリットだわ。久しぶりに観返したくなりました。2023/06/12
しゅう
27
これでもかと反復して繰り返される文章は音楽的で中毒性が高く虜にさせられる。個人的にはこの小説集は、村上龍のベスト5に入る。もう何度目か分からない程読み返してきた本だけれど、いつも心が癒される。内容は麻薬とセックスと映画のことがほとんどなのだがなぜだか読んだらホッとするのだ。12篇から構成される連作短編集なのだが詰まらないものが一作たりともない。というか一文たりとも無駄な文章がない。まあ自分的にはということだけれど。それくらいこの本が好きだ。2024/12/24
kazi
27
この小説完全にツボだわ。これで再読3回目。もっと若い頃に読んでれば生き方変わってたかも。2024/08/23
ちぇけら
21
何をすればいい?何のために生きているんだ?ぼくはこの小説に、ほんとうに殴り殺されそうだった。ドラッグ、酒、セックス。無気力、嫉妬、性欲。そこに神はいなかった。ただ延々と続く生と性があるだけだった。「あきらめろ、と誰かに言われ続けているような気がしたよ、お前には何の力もないんだ、あきらめろ、と言われ続けていて、本当にあきらめるとものすごく楽になれるようだった、どういうことがあきらめるということなのか、それもはっきりとはわからなかったが、要するにイヤなことを受け入れるってことなんだろうなと思った」 2017/12/23
ふな
14
ずいぶん前に「限りなく透明に近いブルー」を読みました。その時の主人公が大人になり当時の自分を俯瞰しているような文章でした。歳を取って失われたものもあり得られたものもある。2017/04/10
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