内容説明
時速１４０キロの超高速特急、大阪―鳥取二時間半の振子式気動車、南国情緒あふれるローカル線など、国鉄末期に建設中止となった路線への夢を描いた時刻表がグレードアップして現実のものとなった。新路線を完乗して、全線開通後の乗車記を文庫読者のために書き下ろした『線路のない時刻表』完全開通版。
目次
陰陽連絡新線の夢と現実―智頭線
白き湖底の町にて―北越北線
建設と廃線の谷間で―三陸縦貫線
断層のある村で―樽見線
落日と流刑の港町にて―宿毛線
瀬戸大橋に鉄道が走る日
青函トンネル紀行
「三陸鉄道」奮闘す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
30
これ以前の本も読んでいました。取り上げられている路線はその後、幸い無事に営業利用されている路線ですので、宮脇氏も乗りに行けて感慨無量だったでしょうね。 ダイヤグラム作成、本文よりずっと大変だったそうで、それだけ本気で検討されたのでしょうね。 私も一応、氏に倣って？国内の鉄道・軌道(鉄道要覧ベース)は1997〜2007の10年間で全線走破しましたよ。最後は山口線の山口駅で、2007年のGWに達成しました。2008/08/30
さっと
7
ほぼほぼ工事完了しながら、国鉄再編のあおりを受けて開通の一歩手前で足踏みする新線の現場を取材した本編（＋瀬戸大橋・青函トンネルのルポ）＋いずれも第三セクター方式により開業した後の新線の模様を見聞した新版。あまちゃんでもおなじみの三陸鉄道は、第三セクター方式による鉄道経営の嚆矢だったそうで、それが全国にも広がっていったが、本編で取り上げられている新線でも、中には10年以上かかって開業にこぎつけたところもあり、その労苦がしのばれる。2016/02/28
niz001
5
今回はあとちょっとで開通するのに工事中断した路線の予定地を巡り、やっと開通した後を付け足すという業の深い旅ｗ。「全線開通版」とはそういう事か。「走れコータロー」は違うと思う。2019/12/15
Mzo
5
国鉄時代末期、あと少しで開通するのに…という状態で工事中止となった線を訪問し、開通後を想像して楽しむ、というちょっと変わった紀行文。鉄道マニアのはしりのような著者ですが、文章に品があって結構好きです。本書にて訪問した路線は全て第三セクターとして開通済み。ただ、三陸鉄道に関しては一昨年の津波被害を思うと心が痛みます。宮脇氏もご存命ならば早期の復旧を強く願ったことでしょうね。2013/01/07
barcarola
2
これ、遊びとして面白い。優等列車の列車名には思わず笑ってしまった。2017/12/03
