内容説明
モンタナ州の辺境の森に銃声が轟いた。連邦逃亡犯が子供を含む人質を盾に山頂の山小屋に籠城。地元警官、FBI、連邦執行局の特別チームが相次いで集結、一進一退の攻防が続く。交渉、駆け引き、脅し、あらゆる手段で人質奪還をはかるバニッシュ司令官の苦悩は深まる。息詰まる人質救出作戦を描くパニック大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコベス
25
FBIの人質交渉の専門家だったバニッシュは自らの判断で人質二名が死亡した事件を境に罪悪感にかられて酒に溺れ妻子は家を去った。アルコール依存症を克服したバニッシュに人質事件の指揮を取れと命令が下る。白人至上主義のエイブルズが武装して家族を人質に山小屋に立てこもっていた。バニッシュは二度と犠牲者は出さないと決意して現場に向かう。FBIの事件に対する詳細な対応や地元警察との主導権争い等をつぶさに描いている。ストーリー展開が遅くやや冗長で犯人側の描写が少ないのも不満だがデビュー作としては上出来だろう。2018/10/24
tegi
0
『強盗こそ~』『流刑の街』のボストンを舞台にした二作に比べるといっけん大きく異る印象ですが、善きことを目指しながらも内なる獣を抑えきれないでいる主人公、憎むべき暴力漢でありながらもどこかこちらを魅了してくる悪役など、共通する要素は多い。終盤に向けて、主人公がどこか抽象的な正義を背負って鈍く輝いていく(ある種の聖性みたいなものを背負う)ところは特に。ホーガンの前述二作が好きな人以外に特段大プッシュするような小説ではないですが、ぼくは好きです。2012/12/30
慧
0
★1/22007/08/01