内容説明
図書館を訪れた「私」は、いつの間にか別世界に迷い込み、探偵天下一になっていた。次々起こる怪事件。だが何かがおかしい。じつはそこは、「本格推理」という概念の存在しない街だったのだ。この街を作った者の正体は?そして街にかけられた呪いとは何なのか。『名探偵の掟』の主人公が長編で再登場。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
288
常に読者の目を意識した天下一の言動は本格ミステリの約束事を意識的に揶揄したものだし、また作者の生の声でもある。そして読み進むにつれ、東野氏の本格ミステリからの訣別宣言を表した書だということが解る。訣別しようと思いながらも本格ミステリが持つ独特の魔力に抗えない、そんな心情を東野氏はこの作品で表している。そんな観点で読むとまた当時の東野氏の作家としての立ち位置垣間見え、興味深く読めるのではないだろうか。ただやはりある程度本格ミステリを読んでからにしてほしい。そうでないと解らない面白味に溢れているのだから。2012/04/09
Kircheis
253
★★★☆☆ 実は前作『名探偵の掟』よりこっちを先に読んだので、最初イマイチ作品世界に入り込めなかったものの、読み進めるにつれてだんだん良くなってきた。 星新一ばりの不思議小説?と思ったら単純に夢オチ的な終幕を見せる。 その夢が東野氏の本格推理への熱い想いを表している。 『勿忘草』がいい味出してた。2019/02/24
takaC
170
別の意味での推理小説だね。東野作品入門者には向いていない。2007/10/05
ダイ@2019.11.2~一時休止
155
天下一大五郎その2。本格ミステリのない世界に迷い込んだ探偵のお話。シリーズものだけどテイストがちょっと違う。面白かったが前作の方が自分的には好み。2013/07/09
イアン
154
★★★★★★★☆☆☆本格推理をメタ的視点で捉えた『名探偵の掟』の続編。図書館を訪れた作家の私が迷い込んだ不思議な空間。そこは「本格推理」という概念が存在しない街だった…。名探偵・天下一となった私が盗掘事件の謎を探る中で遭遇した密室殺人と人間消失。「本格の概念がない」という特殊設定がユニークだが、前作のようなコメディー要素はなく、あるのは本格推理に対する真摯な考察と自問自答のみ。本当に好きな場所なら、思い出の中だけでなくたまには訪れてみてほしい。円熟味を増した東野圭吾が描く本格推理、読んでみたくないですか?2024/07/16
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