出版社内容情報
一郎さんのかばん屋には風変わりな注文客がランドセルがほしいはりねずみ、自分の皮でかばんを作ってほしいという鹿。舞いこむ注文に、一郎さんは? 安房直子の、ゆかいなファンタジー短編集。 小学初級から
内容説明
水仙のようにかわいらしい先生の、大きなかばん。はりねずみのランドセル。春風の少女のポシェット…。こんな注文を受けてくれるかばん屋さんがあったら、すてきだと思いませんか?かばん屋の一郎さんには、ふうがわりなお客さんが、つぎつぎにおとずれます。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年、東京都に生まれる。日本女子大学卒業。「さんしょっ子」(同人誌「海賊」)で日本児童文学者協会新人賞、童話集「風と木の歌」(実業之日本社)で小学館文学賞、童話集「遠い野ばらの村」(筑摩書房)で野間児童文芸賞受賞。また、「風のローラースケート」(筑摩書房)で新美南吉児童文学賞を受賞
津尾美智子[ツオミチコ]
1947年、広島市に生まれる。京都に学んだ後、テレビや新聞のイラストの仕事を経て子どもの本の世界に入る
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
18
続きが読みたいですね。2012/11/17
のほほん
13
北の町の町はずれにある小さなかばん屋さんのお話です。かばん作りは上手ですが、商売が下手な若者が主人です。ある日、主人の一郎さんが一番上手にできたと思っているトランクが話し出して物語が始まります。おしゃべりトランクの言うとおりにしているとうれしいことが次々おこります。いろいろなかばんの注文があります。かばんを作ることが大好きな一郎さんは、みんなに喜んでもらえるかばんを心をこめて作ります。春一番がふくころ、今でも春風さんは一郎さんが作ったポシェットを持って走っているのかな。2023/09/27
うとうと
10
北の町の小さなかばん屋。若い主人の一郎さんは、腕はりっばだけれど商売が下手。ある日、売れないトランクが喋り出し「かばんらしいくらしがしたいよ。あなたとぼくとで旅にでましょう」/一郎さんの作るかばんがすてき!ゆき子さん、ねこ、トランクとの暮らしが温かいです。移りゆく季節や、食べものの描写が見事。お茶を飲まないのにお茶の時間が好きなトランクとねこの提案に、いちいちくすぐられました。「たい焼き。焼きたてのあつあつ。しっぽまであんこがはいってるやつ」「四角いビスケットに、マーマレードをつけて、いかがです?」2022/08/21
二藍
9
読書メーターで知った一冊。まだ若いけれど一級の腕を持ったかばん職人さんと、彼の作った立派なトランク、そして不思議なお客さんたちのお話。店に来るのは水仙のように可愛い先生や、ハリネズミの母娘、旅の魔術師に、春一番の風……。多種多様な依頼に合わせて、すべてのかばんは丁寧に手作りされてゆく。かばん作品はもちろんのこと、登場人物(動物)たちもみんな魅力的で、なかでもトランクとまだら猫の息の合ったかけあいがとても可愛かった。2014/09/18
kamechika
8
大好きな安房直子の作品。 出稼ぎに行った町で買ってきた水仙をショーウィンドーに飾ったり、夜のような漆黒の革でカバンを作ったり(そのカバンの名前もステキ)。随所にちりばめられているちょっとしたエピソードのいちいちに、女性らしい繊細さが光っていてうっとりする。 こんなカバンやさんがあったら、私も是非オーダーしてみたい。 2012/04/30