出版社内容情報
マルクス・ガブリエル[マルクス ガブリエル]
著・文・その他
清水 一浩[シミズ カズヒロ]
翻訳
内容説明
ポストモダン以後、どんな哲学が求められているのか?現代世界の中で意味のある哲学とは何なのか?―「新しい実在論」が、その答えである。カンタン・メイヤスーらの潮流とも連携しつつ活躍する一九八〇年生まれのドイツ哲学界の新星が読者に向けて「なぜ世界は存在しないのか」という大胆な問いを投げかけ、豊富な具体例とともに解きほぐしていく。世界の最先端を走る若き哲学者のベストセラー、ついに日本語版が登場!
目次
哲学を新たに考える
1 これはそもそも何なのか、この世界とは?
2 存在するとはどのようなことか
3 なぜ世界は存在しないのか
4 自然科学の世界像
5 宗教の意味
6 芸術の意味
7 エンドロール―テレビジョン
著者等紹介
ガブリエル,マルクス[ガブリエル,マルクス] [Gabriel,Markus]
1980年生まれ。哲学者。ボン大学教授。後期シェリング研究をはじめ、古代哲学における懐疑主義からヴィトゲンシュタイン、ハイデガーに至る西洋哲学全般について、一般書も含めて多くの著作を執筆。「新しい実在論」を提唱して世界的に注目されている
清水一浩[シミズカズヒロ]
1977年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Major
101
流石に話題の哲学書と評判になった著作であると思う。魅力的なタイトルを含めて、一口に記述は分かりやすく読者を惹きつける。ただし、あまりに彼の哲学的分析が明晰だからと言って、僕たち読者はタイトルの疑問詞に騙されてはいけないのだろう。例え原題も『Why the World Does Not Exist?』であるにせよ、マルクス・ガブリエルは「なぜ(Why)世界は存在しないのか」を論証したのではなく、「どのようにして「How)世界は存在しないと考えられ得るのか」について丁寧に哲学的分析を行ったのである。2020/06/23
抹茶モナカ
75
哲学の学術書ではないけれど、実在論を哲学する本。平易な文章ながら、サブカルチャーまで取り込み、哲学する。千葉雅也さんの『勉強の哲学』と雰囲気が似ている。読みやすいのだけれど、テレビのドラマを持ち上げ過ぎな、若さ溢れる感じは、好き嫌いがわかれそう。個人的には、このレヴェルまで噛み砕いてもらっても読むのは大変でした。2018/04/14
SOHSA
45
《kindle》マルクス・ガブリエル著作初読み。NHKのテレビ番組で同氏を知り、哲学者ながらその言説のわかりやすさに惹かれ、本書を紐解くに至った。本書のタイトルでもあるなぜ世界は存在しないかという問いは、一面でとても刺激的であり、読み手の目を引きつける。しかし、その言説はあくまで堅固に足下を固めていて、読み手に微塵のゆらぎも感じさせない。ページが進むに連れ、内容は難解に傾くが、最後まで読ませる力強さがある。また、現代の哲学者であることも興味深い。他の著作も読んでみたい。2020/10/28
きいち
43
キャリアや社会人学習を考えるうえで自分がよりどころにしてきたのは社会構築主義だったため、ガブリエルが形而上学を否定する返す刀で構築主義もぶった切ったことに戸惑いを感じたところからスタート。そうか、それでも曖昧な場に耐えるための実在論、ということか。◇世界=意味の場。そのものを意味づける場を含むような場は存在しない。レイヤーが違ったりねじれの位置だったり複数の場を繋ぎ合わせながら意味づけ続けること。AIやビッグデータと付き合ううえで新しい世界を開く考え方なのかも、と感じた。なかなかに魅力的ではなかろうか。2020/04/18
みねたか@
42
社会の現状を舌鋒鋭く読み解いた「世界史の針が巻き戻る時」に惹きつけられ、その立論の原点となる本書を手に取る。キーワードは「領域・意味の場」。平易に著わしたとは言うもののやはり哲学書。緻密な論理構成にはついていけず気がつけばただ字面を追う状況もしばしば。そんな私でも、後半の「宗教の意味」と「芸術の意味」の論考は興味深かった。特に「宗教とは、無限のもの、全く思い通りにならないもの、不変なものから、私たち自身への回帰に他ならない。」という一文は示唆に富む。しかし腹落ちには至らずいまだ反芻中。2021/03/08
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