講談社選書メチエ<br> 浮世絵細見

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講談社選書メチエ
浮世絵細見

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586603
  • NDC分類 721.8
  • Cコード C0370

出版社内容情報

浮世絵のサイズの違いとは? 浮世絵に包紙はあったのか? 「見る」から「読む」へ。マニアックな「研究」の世界へようこそ。浮世絵は誰もが身近に感じる日本美術の代表。欧米での人気もうなぎのぼり。が、こんなにわかっていないことが多かったとは。
 そもそも洋画や日本画さえ西洋の美術をモデルに明治時代に作り出された。浮世絵の全盛期に「美術」という言葉はなかった。私たちが浮世絵を美術館で鑑賞するのと違い、もとは私的な楽しみのため市井で売り買いされるものだった。
 そんなことは知っていると言うかもしれない。ところが、買い手が浮世絵をどのように持ち帰ったのかさえ、実はよくわかっていないらしい。展示や画集になれっこになっているから、いちいち想像などしない。しかしそれで本当に浮世絵を身近に楽しめていると言えるだろうか。
 本書は、こうした謎を最新の知見にもとづき、現時点でわかるギリギリのところまで教えてくれる。親切な浮世絵の入門書は少なくない。けれども、わからないことをここまで教えてくれる本は初めてだ。  
――椹木野衣氏書評(朝日新聞、2017年10月22日)

【本書の内容】

◎大判、中判、間判、短冊……浮世絵のサイズはどう決まる?
◎紙が貴重な時代の包紙……浮世絵を買ったらどう持ち帰る?
◎役者絵と興行記録の違い……絵師は舞台を見て描いたのか?
◎浮世絵師という仕事……収入、住まい、仕事の量とスピード
◎贋作・剽窃・続編……江戸時代の認識はどう違う?
◎右側だけ二種類ある絵……異版はなぜ生まれたか?
◎使える浮世絵……手紙用箋、折手本、特別用箋の実態
 ――ほか、「そういえば知らない」浮世絵の謎を解き明かす!

浮世絵研究とは、紙の「折り跡」が謎を深め、制作年の一年の差が、謎を解く鍵になる世界。そこをちらりと覗いてみれば、絵を眺めるだけでは決して見えない浮世絵版画文化、そして江戸という時代の全体が立ち上がる。

はじめに
第一章 紙と判型の謎
 その一 鈴木春信の死と判型
 その二 歌川広重の花鳥画の大きさ
第二章 描かれた謎
 その一 豆男春画の謎
 その二 二種類の右図の謎
 その三 写楽の見立と創造
 その四 広重は東海道を歩いたか
 
第三章 どこまでが浮世絵か
 その一 包紙――浮世絵はどのように売られたか
 その二 絵半切――江戸時代の絵入用箋
 その三 絵半切的絵本、絵入折手本、特製用箋
 その四 千社札文化の謎
第四章 美術史の外側から読む
 その一 春の清水寺の謎――文学・歌舞伎と浮世絵版画
 その二 パリ万博の浮世絵画帖――浮世絵師の住居と報酬
終章 浮世絵研究をしたくなった方へ


浅野 秀剛[アサノ シュウゴウ]
著・文・その他

内容説明

紙の違い、サイズの種類。絵師の署名の有無、書き方の違い。描かれた人物の興行記録との矛盾、吉原細見との合致。浮世絵研究とは、紙の「折り跡」が謎を深め、制作年の一年の差が、謎を解く鍵になる世界。そこをちらりと覗いてみれば、眺めるだけでは決して見えない浮世絵版画文化、そして江戸という時代の全体が立ち上がる。

目次

第1章 紙と判型の謎(鈴木春信の死と判型;歌川広重の花鳥画の大きさ)
第2章 描かれた謎(豆男春画の謎;二種類の右図の謎;写楽の見立と創造;広重は東海道を歩いたか)
第3章 どこまでが浮世絵か(包紙―浮世絵はどのように売られたか;絵半切―江戸時代の絵入用箋;絵半切的絵本、絵入折絵本、特性用箋;千社札文化の謎)
第4章 美術史の外側から読む(春の清水寺の謎―文学・歌舞伎と浮世絵版画;パリ万博の浮世絵画帖―浮世絵師の住居と報酬)
終章 浮世絵研究をしたくなった方へ

著者等紹介

浅野秀剛[アサノシュウゴウ]
1950年、秋田県生まれ。立命館大学理工学部卒業。千葉市美術館学芸課長を経て、大和文華館館長、あべのハルカス美術館館長。国際浮世絵学会理事長。日本を代表する浮世絵研究者の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yyrn

7
以前はこういう本を好んで読んでいた。それが読メを知ってから様々なジャンルに手を染めてしまい?己を見失っていたのかもしれない。なんて大げさだが、でも手当たり次第に読んでいると何のために本を読むのか自分でも分からなくなって、ちょっと混乱するときがあった。読書の意味をもう一度考えるのに私には打ってつけの本だった。浮世絵の年代の特定に紙の大きさが決め手となった話や詞書から作者を推定したり、微妙に異なる類似の浮世絵が存在する理由とか、写楽の出自や広重の五十三次の説明などは非常に面白く歴史考察の楽しさを味わった。2017/11/01

takao

1
ふむ2021/06/17

果てなき冒険たまこ

0
浮世絵が好きでーす♡レベルではとても辿り着かないような研究者さんの一端が垣間見える本。 紙と判型、写楽の見立、広重は東海道を歩いたか、包紙、絵半切、千社札、文学·歌舞伎との関連、パリ万博への出展とまぁ多岐にわたること。 今更研究者になろうとは思わないしそもそもなれないけど浮世絵にはこんな側面から鑑賞することも可能なんだということに気づかせてくれる。 生まれ変わったら研究者になることも検討してみます笑2022/03/16

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