講談社選書メチエ<br> ジャズ・アンバサダーズ―「アメリカ」の音楽外交史

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講談社選書メチエ
ジャズ・アンバサダーズ―「アメリカ」の音楽外交史

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586528
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0336

出版社内容情報

冷戦下「アメリカ」の優位性を発信すべく世界に派遣されたミュージシャンたち。熱いリズムはやがて抵抗と連帯のパワーへと転じてゆくジャズは自由の母国としてのアメリカを象徴する音楽と理解されてきました。そして20世紀後半の国際政治を大きく規定した東西イデオロギー対立のなかでジャズには重要な位置が与えられたのです。アイゼンハワー政権下、米国務省はアメリカを代表するミュージシャンたちを「ジャズ大使」として世界各地に派遣。彼らは、アジア、アフリカ、南米や共産圏の各地で観客を熱狂の渦に巻きこみます。デューク・エリントン、ルイ・アームストロングやサラ・ヴォーンら多くのスターたちが参加したこの壮大な計画の目的は「アメリカ」を宣伝することにありました。
しかし、ジャズには同時に「アメリカ」批判、抵抗の音楽としての側面があります。人種隔離からみずからの解放と自由を求める人びとにとって、ジャズを演奏することはすなわち、抑圧的社会に抗議の意思を表明する象徴的行為でした。ジャズが重視する即興性は、譜面が求める規律に抵抗するものです。すなわちジャズにはこの二面性、つまり自由な自己表現を追求する側面と、抵抗の文化としての側面が内包されているのです。その抵抗の矛先がアメリカ自体に向かうとき、ジャズは反米の意思表明媒体となります。たとえば第二次世界大戦後のフランスがそうであったように。サルトルら実存主義の思想家は、思想を体現するものとしてジャズを捉え、アメリカ批判の論陣を張りながらジャズを積極的に受容しました。
さらにジャズは「連帯」をうながす媒体ともなります。アメリカから派遣される「ジャズ大使」たちは政府の思惑を超えてファンとのあいだに多様な共感を生んだし、共産圏に生きるミュージシャンやファンも国境横断的な連帯の輪を独自に広げました。今日のジャズに期待されているのも、異文化対話をうながし人びとのあいだのつながりを導く連帯の哲学です。
本書は国際政治史のなかでジャズが果たした特異な機能を考察し、ジャズが国際政治と共振しながら織りあげた歴史の実像に迫ります。戦争、冷戦、デタント、平和運動、イデオロギー、民主化、脱植民地化、人種、異文化対話といった、アメリカ内外の政治的ダイナミズムが交錯するところにジャズはあり、それを問うことはジャズとアメリカとの関係を脱構築することになるでしょう。

  序 章 ホワイトハウスのデューク・エリントン
  第一章「アメリカの音楽」の生成
  第二章 冷戦のはじまりとジャズ
  第三章「ジャズ大使」のアジア、中東、アフリカ訪問
  第四章 脱植民地化と連帯
  第五章 反米の手がかり?
  第六章 赤いジャズ・シーン
  第七章 鉄のカーテンを揺らして
  第八章 取り戻されるべきもの、築かれるもの
  終 章 ジャズは「アメリカ」を超えていく


齋藤 嘉臣[サイトウ ヨシオミ]
著・文・その他

内容説明

アイゼンハワー政権以降、国務省はアメリカの文化的魅力を発信すべく、最高のミュージシャンを「ジャズ大使」として世界各地に派遣した。ベニー・グッドマン、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン…。彼らは共産圏で観客をスウィングさせ、第三世界の聴衆を熱狂の渦に巻きこむ。しかしアメリカ発「自由のリズム」は、「抵抗のしらべ」と反響し、やがて権力の思惑を超えた「連帯のハーモニー」を鳴り響かせる。二十世紀後半の国際政治を音楽から照射した鮮烈な一冊。

目次

序章 ホワイトハウスのデューク・エリントン
第1章 「アメリカの音楽」の生成
第2章 冷戦のはじまりとジャズ
第3章 「ジャズ大使」のアジア、中東、アフリカ訪問
第4章 脱植民地化と連帯
第5章 反米の手がかり
第6章 赤いジャズ・シーン
第7章 鉄のカーテンを揺らして
第8章 築かれるべきもの
終章 ジャズは「アメリカ」を超えていく

著者等紹介

齋藤嘉臣[サイトウヨシオミ]
1976年、福岡県生まれ。神戸大学法学部卒業。同大学院法学研究科博士課程修了。博士(政治学)。京都大学大学院法学研究科21世紀COE研究員、日本学術振興会特別研究員、金沢大学人間社会研究域法学系准教授などを経て、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は国際政治学、イギリス外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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MUNEKAZ

8
アメリカの音楽外交を軸に、ジャズの国際的な広がりを描いた一冊。人種統合を謳うアメリカ文化の典型としての面と、抑圧された黒人の奏でる人種差別の象徴としての面。この二面性が、ジャズ大使を送り出すアメリカ側と受け取る東側各国の双方にとってジャズを政治的なものへと浮上させる。ジャズの表象する「自由」が、アメリカ国内だけではなく世界にどのような影響を与えたかがわかる良書。また「余りに予測不可能」とジャズ大使から外される帝王マイルスや、より「危険」なものとしてロックの影がちらついているところなども面白い。2019/11/22

吃逆堂

2
アメリカによるジャズの国際政治利用と、各国の政治面でのジャズ抑圧・受容の歴史。むろん、人種の問題も。ジャズを聴くこと、演奏することが、これほどまで政治性を帯びた行いだった時代があったとは。サッチモやデュークはやはりキーパーソンとなるが、一方で帝王マイルスの影が薄いなど、視角によって見えてくる歴史もまったく違う。2019/05/16

ゲットアップウィズイット

2
音楽という切り口から見た戦後の国際政治史というより国際政治史という切り口から見たジャズ史の本。ニクソンがピアノを弾いたエリントンの70歳記念パーティー、戦中の枢軸国におけるジャズの統制からの政治利用、戦後の共産圏におけるジャズの置かれた立場、アメリカが世界中に送り出したジャズ大使、載っている各エピソードだけでとにかく面白い。50年代後半からの公民権運動とジャズの関わりは読んだことあったけど、それぞれの国にそれぞれのジャズ史があるんだと思った。日本だけが特異な受容をした訳ではない。労作だと思う。2017/11/05

takao

1
 ニクソン大統領はデューク・エリントンの誕生日に自由勲章を与えた。彼は、4つの自由を語った。憎むことからの無条件の自由、自己を哀れむことからの自由、自分ではなく他人を利してしまわないかと悩むことからの自由、仲間より自分が優れていると感じさせるようなプライドからの自由2017/11/04

アーク

1
ジャズの発祥地であるニューオーリンズも含めて、現在はジャズって世界的に下火だけど、ロックが世界を席巻する前はジャズが外交カードに使われるほど商品力を持っていたことが分かるな。Louis ArmstrongやNat King Coleも赤坂にあった有名クラブ、ニュー・ラテン・クォーターに呼ばれていたことからもよく分かる。ただし、有名どころのジャズミュージシャンやその歴史についてある程度知らないと取っつきにくい本かも。その分勉強にはなるけどね。2017/06/22

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