講談社選書メチエ<br> ニッポンエロ・グロ・ナンセンス―昭和モダン歌謡の光と影

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講談社選書メチエ
ニッポンエロ・グロ・ナンセンス―昭和モダン歌謡の光と影

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586405
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0373

出版社内容情報

エロで生れてエロ育ち、私しゃ断然エロ娘……。昭和モダンは軽佻浮薄、発禁なんてなんのその。いまこそ歌謡史の空白を埋め、歌い踊れ「昭和初期は暗い時代だった」というイメージには根強いものがあります。
 ただ、戦前期の日本を暗黒だったと言いきれるかというと、そうでもありません。時代はつねに多面的で翳があれば光もあります。
 昭和初期はエロ・グロ・ナンセンス時代とのちに言われるようになります。出版界や新聞紙面のエロの跋扈は、厳しい思想弾圧によって国民に不満や圧政感が溜まらないようにするためのガス抜きではないか、との観測は当時からあったにせよ、芥川龍之介の謂う「ぼんやりした不安」を裏返しにした刹那的な享楽主義を軍縮とリベラル思想が後押しして、時代は暗黒どころか軽佻浮薄をきわめたのです。
 無責任にもほどがあるエロとジャズとゴシップの垂れ流し状態は誰にも手がつけられません。新聞もラジオもあわよくば享楽的な方向に流れよう流れようとする。そうした世相を写した流行小唄や映画主題歌が雲霞のごとく出現しました。

エロで生れてエロ育ち
私しゃ断然エロ娘

 こんな歌が平然と歌われていたのです。主義や思想に敏感な学生を息子にもつ親もまた「テロよりはエロ」「赤色に染まるなら桃色のほうがマシ」などと言い出す始末。閉塞感のなかで必要以上にクローズアップされた“エロ”という概念があらゆる分野に浸透する……。
 そもそもはやり唄とはどの時代にあっても世相を写すものですから、それはけっして珍しい現象ではないといえます。ただ、昭和初期がユニークなのは、その内容がエロに特化し、一時はレコード歌謡がエロ一色に塗り立てられたことにあります。
 エロ・グロ・ナンセンス時代に大量に作られ消費されたエロ歌謡群は、いつしか忘却の底に沈みました。まさに日本歌謡史におけるミッシング・リンクといってよいでしょう。それらを拾い上げ、つなぎあわせ、戦前の日本人が感じたエロを、その誕生から滅亡までたどってみる……。それが本書の目論見です。

 第一章 三位一体の神話
   1 十一月二十七日はエロ記念日
   2 『現代猟奇尖端図鑑』
   3 日本歌謡史のミッシング・リンク
  第二章 跳躍するモダンガール
   1 すばらしき昭和三年
   2 オヤ尖端的だわね
   3 ガール尽くし
  第三章 エロ歌謡ブームの諸相
   1 ねえ興奮しちゃいやよ
   2 ジャズソングと演芸
   3 歪曲され、消費されるイメージ
  第四章 昨日チャンバラ、今日エロレヴュー
   1 夢の浅草
   2 エロとジャズは大阪から
   3 イットってなんでしょう
  第五章 発禁オン・パレード
   1 エロの次はミリだ
   2 改正出版法とレコード検閲
   3 最後の輝き“ねェ小唄”
など


毛利 眞人[モウリ マサト]
著・文・その他

内容説明

関東大震災から日中戦争へと至る時代。モボとモガが闊歩し、ラジオとレコードの音が巷に満ちるとき、刹那的な享楽主義が都市を覆い、眩い光彩を放った。テロよりエロ!アカより桃色!あまりにも不埒な歌詩と軽佻浮薄なメロディーからは、人びとの欲望と思惑、権力への反発と諦念が聞こえてくる。日本歌謡史のミッシング・リンクを明らかにする一冊。

目次

はじめに 黒い円盤のなかには
第1章 三位一体の神話
第2章 跳躍するモダンガール
第3章 エロ歌謡ブームの諸相
第4章 昨日チャンバラ、今日エロレヴュー
第5章 発禁オン・パレード
むすびに エロ歌謡は死なず

著者等紹介

毛利眞人[モウリマサト]
1972年生まれ。音楽評論家。高校時代より地元紙にコラムを寄稿。大阪芸術大学中退後、中古レコード店勤務を経てライターとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

71
昭和初期の歌におけるエロを紹介した一冊。エロ・グロ・ナンセンスと題されているものの、紹介されているのは基本的にエロ。昭和初期というと戦争に向かう暗い時代であったかの様なイメージを抱いてしまうが、これを読むと大正に負けず劣らず明るいものも氾濫していたのだと気付かされる。歌詞も何となく能天気で明るいものばかりだし。エロ・グロ・ナンセンスの初出の考察やエロ歌謡が軍歌に取って代わられ検閲までの道と、どこをとっても興味深い所ばかりでした。最後現代のエロ歌謡も紹介されていて、このジャンルは決して滅びない事がわかるし。2017/01/07

くさてる

25
面白かった!煽情的なタイトルですが、エロな意味でなく知的な興奮を頂きました。この本で紹介される昭和初期の歌謡界の、なんと猥雑で活気に溢れてヤンチャで面白いことか。何気なく書かれた一行にもしっかりと調査の裏付けが感じられる理知的な文章で紹介される、昭和初期の「エロ歌謡」という文化の面白さは、そのまま戦前という時代の新たなイメージをわたしに教えてくれました。大正末期~昭和初期の大衆文化に興味があるかた、モガ、モボという言葉にときめくかたには、おすすめです!2016/12/17

gtn

21
1930年代の流行語「イット」の解釈が興味深い。本来は、内面からにじみ出る色気を指していたが、やがて外見的な性的魅力へと意味が変容する。それが、時の歌謡にも反映。戦中鳴りを潜めたその"エロ"が戦後息を吹き返し、山口百恵や中森明菜のアイドル歌謡まで命脈を保ったという著者の説に共感。2022/05/27

しゅん

12
「エロ・グロ・ナンセンス」という言葉がいつ発生し広がったのか、その原点となる昭和初期の歌謡曲の状況はどのようになっていたのか。今からだと見えにくい戦前の文化状況、特にエロに関する状況を調べ上げたという点で特筆に値する。モダンガールの時代に、浅草オペラを中心に「エロ」は開花した。やがて戦争が近づくと発禁が続出して勢いを失うが、面白いのは戦後もエロは大々的に復活しなかったところ。戦争が抑圧したとは必ずしも言えず、流行の徒花として存在したエロ歌謡。この文献を読むと、「今は清潔な時代だ」という言葉も納得する。2022/01/04

Miz

8
新聞の書評に掲載されていて、手に取る。戦前戦後の歌など、時局と共にエロチシズムの変遷が描かれている。マニア受けしているものや、トンデモ楽曲など、様々なものが紹介。時折、歌手の顔写真やポスターなどもあり、ビジュアルでも楽しめた。2017/03/15

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