講談社選書メチエ<br> 丸山眞男の敗北

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講談社選書メチエ
丸山眞男の敗北

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586320
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C0331

出版社内容情報

「戦後民主主義」を象徴する政治学者である丸山眞男は、1960年にはすでに「敗北」していた……。気鋭の著者が放つ渾身の論考!丸山眞男(1914-96年)は、戦後日本を代表する政治学者として名を轟かせ、今も多くの人に読み継がれている。日本が敗戦を迎えた直後に発表した論文「超国家主義の論理と心理」で天皇制の精神構造を批判して華々しく論壇に登場した丸山は、「戦後民主主義」を象徴する存在となった。
本書は、没後20年を迎えた不世出の学者の全容を、これまでになかった視角から解き明かそうとする野心作である。
本書のキーワードとなるのは「丸山眞男の哲学」である。政治学の著作で知られる丸山だが、その本領は日本思想史にあった。一見、直接の関係を見出しにくい両者を一貫して支える丸山の原理を、著者は「哲学」という言葉で表現し、追求していく。
その原理を踏まえながら、丸山の代表的な著作を通覧していく本書は、最良の入門書・概説書としても読むことができるが、そうして愚直に作品を「読む」ことで明らかになる結論は、まさに驚愕をもたらすものである。──政治学者としての丸山眞男は、1960年にはすでに「敗北」していた。
戦死者の亡霊がそこかしこに漂っているのを意識しながら戦後を開始した丸山は、やがて日本が目覚ましい復興と成長を遂げ、さまざまな意味で余裕を獲得した結果、人々の関心が経済や私生活に移っていくにつれて、闘志や焦燥感を失っていった。その結果、政治的な言論活動に対する意欲を失い、40代半ばにして半ば隠遁するように日本思想史研究に沈潜していく。しかし、それはひとり丸山の「敗北」であるだけでなく、ほかでもない「戦後民主主義」の「敗北」である、それが著者の結論となる。
 戦後70年を迎えた日本は、憲法改正が現実味を帯びた話題になっているように、「戦後」や「戦後民主主義」を振り返らざるをえない状況に置かれている。丸山の歩みと「敗北」を知ることは、まさしく「戦後日本」の起源と歴史を知ることである。それは、いまだ現在進行形の「戦後」を生きていく上で不可欠な思索のきっかけになることだろう。

はじめに
凡 例
第1章 丸山眞男の「哲学」
第2章 戦中の "転向"
第3章 敗戦と再生
第4章 民主化の矛盾──第一期:占領下の時代(敗戦?1950年)
第5章 奪われた全盛期──第二期:「逆コース」の時代(1950年?55年)
第6章 政治学者としての終焉──第三期:経済成長のはじまり(1955年?60年)
第7章 日本思想史家としての格闘──高度経済成長の時代(1960年以降)
第8章 丸山眞男の敗北
おわりに

文献一覧
あとがき


伊東 祐吏[イトウ ユウジ]
著・文・その他

内容説明

政治学と日本思想史の泰斗・丸山眞男(一九一四‐九六年)。『日本政治思想史研究』や『現代政治の思想と行動』など、戦後最大の知識人が残した著作は、今なお多くの読者を魅了し続けている。本書は、すでに神格化された知の巨人と正面から向き合い、独自の「哲学」を読み取る試みである。そして、その試みはやがて衝撃的な事実を明らかにする―。いまだ現在進行形の「戦後」を生きる私たちにとって必読の思考体験がここにある!

目次

第1章 丸山眞男の「哲学」
第2章 戦中の“転向”
第3章 敗戦と再生
第4章 民主化のパラドクス―第一期:占領下の時代(敗戦~一九五〇年)
第5章 奪われた全盛期―第二期:「逆コース」の時代(一九五〇年~五五年)
第6章 政治学者としての終焉―第三期:経済成長のはじまり(一九五五年~六〇年)
第7章 日本思想史家としての格闘―高度経済成長の時代(一九六〇年以降)
第8章 丸山眞男の敗北

著者等紹介

伊東祐吏[イトウユウジ]
1974年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は、日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

左手爆弾

11
最初の数章でわくわくし、途中の数章で退屈し、最後の1章でブチ切れた。戦後民主主義の代名詞とも言うべき丸山真男、主体性や責任を強調する彼の「哲学」が実は相対性に貫かれていたという指摘から始まる。特定の確固たる立場を一貫して主張するより、「永久革命」として絶えず変容していく開かれた主体にこそ丸山の本質だと思っていたのでその指摘は納得できた。その後の時系列的に思想変遷を追う部分は典型的な思想史家の仕事であり、非常に退屈だが、許容ではできる。時代が変わっていく中で丸山が書けなくなったのも事実だ。問題は最後だ。2016/09/19

bapaksejahtera

8
丸山眞男は向坂逸郎ほど党派的にのめり込む事のない戦後民主主義の論客として、安保闘争を背後から指導した。大学紛争では聊か尊厳を欠く姿を呈し、国内的にも国際的にも共産主義には腰の引けた姿勢を見せたとしても、いわば敬して遠避くに足る思想家という理解であった。本書は彼の思想的軌跡を解り易い文章で追い分析する。丸山の思想を強く批判する吉本隆明や、違う立場で戦争や戦後思想を分析する山本七平らの視点を用いる著者の丸山思想批判も妥当と思う。但し最終章など、それだけの批判を呈する著者の思想的総括は那辺にあるか聊か心許ない。2022/06/12

masanari

2
丸山の思想の変遷を時代の変化とともに論じた本。テクストの背後に隠された丸山の本心を暴こうとした野心作でもある。決して優しい内容でないが、先の展開が気になり一気に読めた。ただ最後は自分語りがすぎると思った。2021/02/13

trazom

1
若き論客が、神格化された巨人を論評する。それも、結論は「丸山が目指した戦後民主主義は、戦後社会に敗北した」と刺激的。丸山の思想信条を支えたのは、戦争の死者の呪縛であり、そのことが丸山の思想から柔軟性を奪ったというのは正しいだろう。ラカンやレヴィナスが、自分の正しさを疑い、新たな「構造主義」の哲学を生み出したのと比較して、所詮、丸山眞男は「相対の哲学」であって、戦中戦後の「逆風」と戦うことに慣れてしまい、平和な世の中に対応できなくなったというのである。頭をぶん殴られた思いで、私は、まだ考えが整理できない…。2016/11/04

takao

1
「相対の哲学」の敗北2017/04/11

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