講談社選書メチエ<br> 民俗と民藝

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講談社選書メチエ
民俗と民藝

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585521
  • NDC分類 380.1
  • Cコード C0395

出版社内容情報

柳田國男と柳宗悦。かたや「常民」の暮らしに目を見開き、かたや民藝運動によって、生活の中の美を求める。二人の交錯を描く力作!

柳田國男と柳宗悦。かたや「常民」の暮らしに目を見開き、かたや民藝運動によって、生活の中の美を求める。二人の交錯を描く力作!

【著者紹介】
1951年生まれ。中央大学大学院文学研究科フランス文学専攻修了。現在、立教大学急需。言語、身体、時間などを主題として、思想、文学、美術、映像などを論じる。主な著書に、『沈黙するソシュール』『小津安二郎の家』『倫理という力』『言葉と在るものの声』など多数。

内容説明

柳田國男の民俗学と柳宗悦の民藝運動―。異なる方法、言葉遣いで展開されたそれらを、成長させた土壌は同じひとつのものだ。それを本書で著者は“原理としての日本”とよぶ。時期を同じくしながら、交わることの少なかった二人の仕事によりそい、二人の輪唱に誘う力作。

目次

失われた民謡
農民から「常民」へ
文明開化に抗するもの
民俗学の対象、日々を生きる喜び
工藝の発見
暮らしの器
木喰上人を求めて
民藝運動というもの
民俗学と民藝運動
常民を想って
南の島に在るもの
魂が住む家
籾種を携えて海を渡る
穀霊の宿るところ
生の工藝化としての「本能」
“民藝”を産む“民俗の記憶”

著者等紹介

前田英樹[マエダヒデキ]
1951年生まれ。中央大学大学院文学研究科フランス文学専攻修了。現在、立教大学現代心理学部映像身体学科教授。言語、身体、時間などを主題として、思想、文学、美術、映像などを論じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

37
柳田国男の民俗学と柳宗悦の民藝運動について論じた一冊。この両者が共に西洋からの客観的な学ではなく、日本人の心と信仰をその芯としていると説いている。そうして見ると確かに両者の一致点は多いのかもしれないが、本書の中では章ごとに両者を解説するという方法をとっているため、両者がバラバラな印象を受ける。それに「常民」という概念が民俗学初期からあったように書かれているが、この概念がはっきりと現れているのは後期になってからだと思うけど。民藝運動についてはほとんど知るところがなかったので、木喰仏の発見等は面白く読めた。2013/06/10

きいち

22
柳田國男と柳宗悦。不用意な歴史化に抗い、現在目の前にある事物にロイヤリティを持って活動することで20世紀前半の社会の変化の中で転向することなく生き抜いた。すれ違ったこの二人にひとつの物語を語らせる前田独自の試み、それを「書く喜び」と言うのが印象的。◇民俗学も民藝運動も、この二人の個性が多くの人を引き寄せた運動。だからきっと、本丸は人と人との間にある。ここでは河井寛次郎が取り上げられるが、前田の着想はきっと、民俗学なら渋沢敬三なり宮本常一なり、そうした他の個性との関わりを追うことでさらに面白くなると思った。2014/05/06

壱萬参仟縁

11
柳田国男と柳宗悦の違いとは? 民謡重視の民俗学(12頁)。柳田みずからは自らの民俗学を「新国学」と称したという(64頁)。後で使いそうだから覚えておきたい。柳宗悦とのライヴァル視か、否か。共に庶民、市民の生き様に最も近い部分に迫ったわけだが、ふつうの人の把握の難しさもまた、個性と多様性という性質もあって大変なのは今も変わらないだろうか。常民としても、民藝としても、民のもつ力量の迫力。暮らしのリアリティ。それらの表出としての民の技。業。生業。農山村での牧歌的な暮しへの回帰も若者に見られ始めた。民の担い手は?2013/06/03

code08

2
柳田國男の民俗学と柳宗悦の民藝運動。 同じ時代を生きながら、交わることの少なかった二人の仕事を交互に語ることで、底流の「原理としての日本」という機構を浮かび上がらせる。2024/05/26

koji

2
図書館返却の期限もあり、とりあえず139頁まで。柳田國男は本居宣長を尊敬し自分の民俗学を「新国学」と称して憚らなかったそうです。そこには「常民」の思想、つまり西洋式の有事(めったに起こらない事実)を見つめる闘争の美ではなく、無事((平穏無事の暮らし)の中の美を見つめる思想がありました。また柳宗悦の民芸運動も李朝陶磁や木喰上人の木彫りの仏像に日常の「暮らし」の実相を見出すもので、柳田と同根のものです(二人が反目しあっていたのは皮肉ですが)。途中まででしたが「日本とは何か」を考えさせられました。2013/07/28

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