講談社選書メチエ<br> 義経の冒険―英雄と異界をめぐる物語の文化史

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講談社選書メチエ
義経の冒険―英雄と異界をめぐる物語の文化史

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585392
  • NDC分類 913.49
  • Cコード C0391

出版社内容情報

「義経」の物語は、どのように生まれ、そして時代とともに変容していったか。大国主から鬼の国に至るまで、物語の基層を探る旅!

「義経」の物語は、どのように生まれ、そして時代とともに変容していったか。大国主から鬼の国に至るまで、物語の基層を探る旅!

【著者紹介】
1968年生まれ。東京大学卒、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程中退、博士(学術)。東京大学助手、札幌大学准教授を経て現職。専攻は、国文学、上代文学研究。
.著書に『宣長と「三大考」』(笠間書院)がある。
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内容説明

一篇の御伽草子『御曹子島渡』を手に携えて、英雄・義経の物語をめぐる旅が始まる―。『古事記』の大国主神話、吉備真備入唐譚、坂上田村麻呂と悪路王、鞍馬寺の毘沙門天信仰、陰陽道、蝦夷ヶ島などなど、古代から近世までを縦断する義経物語の遍歴を検証し、跡づける冒険的力作。

目次

第1章 『御曹子島渡』の謎
第2章 鞍馬の山奥から
第3章 東北というトポス
第4章 兵法書の秘密
第5章 中世都市京都の周辺
第6章 吉備真備入唐譚をさかのぼる
第7章 蝦夷ヶ島へ

著者等紹介

金沢英之[カナザワヒデユキ]
1968年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程中退、博士(学術)。東京大学助手、札幌大学准教授を経て、北海道大学大学院文学研究科准教授。専攻は、上代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

56
義経が兵法書を手に入れるべく鬼の住む島へ渡る「御曹子島渡」。その背景に何があるか、どういう形でこの話が成立したのかを論じた一冊。義経の冒険譚の背後にトポスとしての鞍馬、京都や東北、蝦夷。簠簋内伝や野馬台詩。吉備真備の入唐といったキーワードを元に、そこに如何に豊饒な世界観が横たわっているかが認識させられる。中には話の内容を広げすぎるような部分も見受けられるが、その内容とそこへの繋がりもまた面白い。中世の神話とか御伽草子は語彙一つとっても独特な魅力があるので、それを解説した本書もまた独特な魅力が感じられる。2021/05/01

こうず

2
義経北行伝説の本だと思って買ったら違った。御伽草子『御曹子島渡』がいかにして誕生し、変移してきたのかという論考。たとえば神話というものはその物語を伝えてきた民族の事情や歴史が反映されているとよくいうが、若き日の義経の冒険物語も、日本神話や吉備真備入唐譚などを素材にしつつ当時の日本人の蝦夷観・北国観を語るためのシステムだった可能性があると。であるならば、義経という英雄への仮託を経る事で中世の宗教観・地理観などを伝える『御曹子島渡』は、確かに神話と言い得るのかもしれないと思った。2015/07/22

かわくん

0
物語の変容についての考察。義経の伝説は、私たち岩手の人間にとっては北行伝説が一般的だ。しかし、この本で述べられているのは義経が異界を巡り、兵法書や宝物を得る話だ。異界に行くという話自体は義経以前からあり、それがどのように義経の話になり、内容がどのように変化したのか。論考は少し難しい。さまざまな出典を明示しており、それは研究者としては当然のことと思うが、歴史や民俗に興味ある私にとっても煩雑な話に感じてしまう。当時の都の人たちの蝦夷地に対する認識の変化をもう少し突っ込んでほしかった。2013/01/07

onepei

0
変容する物語。2012/12/01

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