出版社内容情報
新仏教はどのような土壌から生まれたのか?鎌倉新仏教はゼロから生まれたのではなかった。山林修行、受戒など実践をキーワードに、新仏教を準備した、これまで見過ごされてきたさまざまな運動に光を当てる
内容説明
鎌倉新仏教はゼロから生まれたのではなかった。偉大な祖師たちの思想が生まれる背景には、先行する有名無名の宗教者たちによる、さまざまな試みがあった。山林修行、戒律の問題、経典への信仰など「実践」をキーワードに、これまで見過ごされてきた、新仏教を準備したさまざまな運動に光を当てる。
目次
第1章 優婆塞仏教の系譜(山林修行と優婆塞仏教;浄行のきた道;優婆塞仏教の広がり)
第2章 成熟と分裂―寺院社会の「出世」と「出世間」(平安仏教の「出世」と「出世間」;鳥羽院政期における実践行の再評価;聖と授戒―実践行の転回;聖と王権)
第3章 実践と修学をつなぐモノ―経典信仰の諸相(実践・儀礼・モノ;何のための書写なのか;仏舎利と経典)
第4章 信心の地平―夢想と観想(慈円の夢―『法華別帖』を読む;夢見るサークル)
第5章 信心のゆくえ(熊谷直実の出家と往生;法然と直実を媒介するもの;異相往生への称賛と懐疑;直実教団のゆくえ)
著者等紹介
菊地大樹[キクチヒロキ]
1968年、東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国史学専攻修士課程修了。現在、東京大学史料編纂所古文書古記録部門准教授。専門は日本宗教史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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