講談社選書メチエ
中華人民共和国誕生の社会史

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585132
  • NDC分類 222.076
  • Cコード C0322

出版社内容情報

「普通の人々」の現実から描く「革命前夜」共産党の指導者の闘いや知識人たちの言説ではなく、貧困と暴力、腐敗の中で生きた街の人々のリアリティから、21世紀の大国となった中華人民共和国誕生を描く

内容説明

国共内戦下の四川省、そこで何が起こり、生まれたか。人と食糧の苛烈な徴発、富裕者への敵対的世論、行政の空洞化、そして、その危機を生き抜こうとする人々の営み。「革命」を育んだ土壌としての地域社会を描く。

目次

第1章 「惨勝」を生きる(戦後基層社会の出発点;退役兵士たちの戦後)
第2章 繰り返される悪夢(戦時徴発の再開と抵抗;抵抗の屈折と内向化;社会のきしみと不信感)
第3章 富裕者を一掃せよ(都市貧民の救済と管理;富裕者への厳しい視線;敵意のたどりつく場所)
第4章 滅びゆく姿(社会秩序の崩壊へ;難民流入とその対策;末端行政の空洞化)
第5章 革命後に引き継がれた遺産(食糧徴発の継続と強化;土地改革とその社会的条件)

著者等紹介

笹川裕史[ササガワユウジ]
1958年、大阪府に生まれる。広島大学大学院文学研究科博士課程後期中退。現在、埼玉大学教養学部教授。博士(文学)。専攻は、中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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しいらでかんす

2
今の中国の根源になるものを教えてもらいました。できあがってしまったこの現在のシステムを変えることの難しさも実感しまた。2015/07/03

陽香

1
201109102019/03/14

Masayuki Shimura

1
【地場よりの報告】(意外と言ってしまっては大変に失礼な物言いなのですが,)予想以上に学ぶことや得るものが大きかった作品。主に1945〜1949年の四川省を舞台として取り上げているのですが,人々の「小さな」暮らしぶりがここまで「大きな」歴史と絡み合っているものなのかと驚嘆せずにはいられませんでした。2018/04/04

冬薔薇

1
四川省における、日中戦争・国共内戦・朝鮮戦争での人・食の戦時徴発の模様から、中華人民共和国の成立と共産党の今に至る政策の基本が決まる状況が詳しく描かれる。戦争にはいかに食糧と兵士の調達が重要かがよくわかる。内戦中の地方新聞の記事によると当時は情報統制がなく自由に書かれ、農民の困窮が訴えられている。「大衆集会」という、今まで虐げられてきた農民たちの富裕層への怨恨と憎悪を増幅させるシステムは文革へとつながる。2012/10/15

なおわん

0
『大地の子』を読んでいて、近代中国をもう少しよく知らないとと思って読んだ。政治で国は形作られるかもしれないけど、それを動かすのは人間なんだよね。『大地の子』の続きを早く読みたくなってきた。2014/08/13

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