出版社内容情報
「普通の人々」の現実から描く「革命前夜」共産党の指導者の闘いや知識人たちの言説ではなく、貧困と暴力、腐敗の中で生きた街の人々のリアリティから、21世紀の大国となった中華人民共和国誕生を描く
内容説明
国共内戦下の四川省、そこで何が起こり、生まれたか。人と食糧の苛烈な徴発、富裕者への敵対的世論、行政の空洞化、そして、その危機を生き抜こうとする人々の営み。「革命」を育んだ土壌としての地域社会を描く。
目次
第1章 「惨勝」を生きる(戦後基層社会の出発点;退役兵士たちの戦後)
第2章 繰り返される悪夢(戦時徴発の再開と抵抗;抵抗の屈折と内向化;社会のきしみと不信感)
第3章 富裕者を一掃せよ(都市貧民の救済と管理;富裕者への厳しい視線;敵意のたどりつく場所)
第4章 滅びゆく姿(社会秩序の崩壊へ;難民流入とその対策;末端行政の空洞化)
第5章 革命後に引き継がれた遺産(食糧徴発の継続と強化;土地改革とその社会的条件)
著者等紹介
笹川裕史[ササガワユウジ]
1958年、大阪府に生まれる。広島大学大学院文学研究科博士課程後期中退。現在、埼玉大学教養学部教授。博士(文学)。専攻は、中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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