出版社内容情報
「善」の根拠を問う哲学の基本書を完全解読大好評「完全解読」シリーズ第3弾。「善」の根拠を証明し「倫理」を哲学的に基礎づけた近代哲学の金字塔。ロールズもサンデルもこの書なしにはあり得なかった!
内容説明
大好評、知の高峰を読み平らげるメチエ「完全解読」シリーズ第3弾。カント三批判書の第二書にして、「善」の根拠を論理的に証明し「倫理」を哲学的に基礎づけた近代哲学の金字塔を徹底的に読み込む。現代の正義論もこの書なしにはあり得なかった。
目次
緒論 実践理性批判の構想について
第1部 純粋実践理性の原理論(純粋実践理性の分析論(純粋実践理性の原則について;純粋実践理性の対象の概念について;純粋実践理性の動機について)
純粋実践理性の弁証論(純粋実践理性一般の弁証論について;最高善の概念規定における純粋実践理性の弁証論について))
第2部 純粋実践理性の方法論
著者等紹介
竹田青嗣[タケダセイジ]
1947年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学国際教養学部教授。哲学者、文芸評論家。現象学をベースに、哲学的思考の原理論としての欲望論哲学を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんすけ
21
カントに親しみ始めたのが十七歳だったから、もう六十年近い付き合いとなるが、「実践理性」は未だに朦朧感が拭えない。 「純粋理性」が理性に至る認識の追及であるのに対し、「実践理性」は道徳という限定しがたいものを対象としているからであろう。 また、このように問い合わせることができるようになったのも、この十年の自身への問いの結果に過ぎない。 対象が経験として得られるものでなく、経験を解釈せねばならないからに違いない。なぜなら経験の大半は無駄なものだからである。 2022/09/28
wattann
5
この休みはカントを徹底的に読む。第一弾。次は中島義道さんのカント解説本。いきなり原書は私には無理。2010/12/31
aoya513
2
唯一腑に落ちなかったのが、「最高善への無限の接近」の為の「魂の不死の必然性」。別に最高善に到達出来なくても、接近さえ感じ取れればそれが道徳的行為の(間接的)動機になるのでは?「無限の」接近=魂の不死は本当に必要?「生きている間に出来る限り接近する」では駄目なの?2016/12/07