講談社選書メチエ<br> 昭和の思想

電子版価格
¥1,485
  • 電子版あり

講談社選書メチエ
昭和の思想

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584845
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0321

内容説明

「戦前=戦後」だけでなく、昭和はつねに「二つの貌」を持っていた。皇国史観から安保・学生運動まで、相反する気分が対立しつつ同居する昭和の奇妙な精神風土の本質を、丸山眞男・平泉澄・西田幾多郎・蓑田胸喜らの思想を元に解読する。

目次

第1章 日本思想は二つ以上ある
第2章 思想史からの靖国神社問題―松平永芳・平泉澄
第3章 思想史からの安保闘争・学生反乱―丸山眞男
第4章 思想史からの終戦と昭和天皇―阿南惟幾・平泉澄
第5章 思想史からの世界新秩序構想―西田幾多郎・京都学派
第6章 思想史からの言論迫害―蓑田胸喜
第7章 二〇世紀思想史としての昭和思想史

著者等紹介

植村和秀[ウエムラカズヒデ]
1966年、京都生まれ。京都大学法学部卒業。現在、京都産業大学教授・合同会社植村文庫業務執行社員。専門は、政治思想史・ナショナリズム研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

25
昭和時代の思想史を大きく四人(丸山眞男、平泉澄、西田幾多郎、蓑田胸喜)に大別して四人の視点から昭和(戦前)を見てみようとする一冊。あの戦争をそれぞれがどのように動いたのかがよくわかった。個人的には西田幾多郎がよかったかな。2011/05/22

桜子

14
「理の軸」に、平泉澄と丸山眞男。「気の軸」に、西田幾太郎と蓑田胸喜が据えられ、終始読みやすい文章です。「昭和思想は政治思想」と提唱するならば、経歴や代表的な出来事だけを並べただけでは物足りない。日本思想史は本来、右翼と左翼という言葉だけでは分類できない複雑さがある。第4章の阿南惟幾だけは面白かった。京大卒の著者は京都学派の西田幾太郎の思想を好む印象を受けましたが、1番気になる存在なのは蓑田胸喜なのだろうとも受け取れます。

無重力蜜柑

11
面白い。面白いが……色々と惜しい本。戦前〜戦後昭和の「国家が全面化する時代の政治思想」を、四人の思想家を例に挙げて論じる筆者は、理屈でカチッと体系立てる「理」の思想家と勢いでグワっと行く「気」の思想家という分類を提唱する。筆者曰く、この「理」と「気」はデカルト座標空間のようなものというよりは互いに交わらない(=話の通じない)ものらしい。そしてこの二つを右の理と左の理、ポジティブな気とネガティブな気に分け、それぞれ平泉澄、丸山眞男、西田幾多郎、蓑田胸喜に代表させる。この構想の時点でめちゃくちゃ面白い。2024/12/10

Happy Like a Honeybee

8
昭和初期の知識人入門書。佐藤優氏が主張するように、常に講座派的な思考が主流だろうか。阿南惟幾と陸軍の項が印象的。日本国憲法で思想・良心の自由が保障されたのは、戦前に蓑田胸喜のような言論迫害者がいた裏返しか。2016/08/16

gtn

6
日本教信者、蓑田胸喜は、戦時中、自分の原理に合わない美濃部達吉や西田幾多郎、北一輝、大川周明等言論人を、左右関係なく、叩いて叩いて叩きまくった。思想というより、絶対的なものを侵食させまいという信仰心だろう。しかし、国家の言論統制が強化されるにつれ、役割を終えたように攻撃を止め、ついに自殺する。建設的な思想を創造しなかった成れの果てである。2019/01/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1218786
  • ご注意事項

最近チェックした商品