講談社選書メチエ
ハプスブルクとオスマン帝国―歴史を変えた“政治”の発明

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  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584715
  • NDC分類 319.346
  • Cコード C0322

出版社内容情報

「トルコの脅威」が近代ヨーロッパを生んだ

圧倒的軍事力を誇るオスマントルコから、いかにヨーロッパを防衛するか?最前線に立たされたハプスブルクが取った対抗策──それは情報を収集し、バラバラな諸侯をデータを挙げて説得して糾合する一方、民衆を反トルコプロパガンダで動員することだった。
近代政治誕生のドラマを解明する画期的論考!

序論 世界史の転換点とハプスブルク家
第1章 ハプスブルクの政治における揺れ動くもの・動かないもの
第2章 対オスマン防衛という仕事
第3章 国境を守るということ
第4章 オスマンの脅威を印象付ける
第5章 ドイツ帝国議会における情報戦略――「事実」の持つ力
第6章 クロアチア諸身分との奇妙な論戦――王国を兵舎にするべきか?
第7章 ヨーロッパ近代政治の道筋


河野 淳[コウノ ジユン]
著・文・その他

内容説明

圧倒的軍事力を誇るオスマントルコから、いかにヨーロッパを防衛するか?最前線に立たされたハプスブルクが取った対抗策―それは情報を収集し、バラバラな諸侯をデータを挙げて説得して糾合する一方、民衆を反トルコプロパガンダで動員することだった。近代政治誕生のドラマを解明する画期的論考。

目次

序論 世界史の転換点とハプスブルク家
第1章 ハプスブルクの政治における揺れ動くもの・動かないもの
第2章 対オスマン防衛という仕事
第3章 国境を守るということ
第4章 オスマンの脅威を印象付ける
第5章 ドイツ帝国議会における情報戦略―「事実」の持つ力
第6章 クロアチア諸身分との奇妙な論戦―王国を兵舎にするべきか?
第7章 ヨーロッパ近代政治の道筋

著者等紹介

河野淳[コウノジュン]
1974年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学大学院修士課程修了。オーストリア政府給費留学生としてウィーンへ留学。ウィーン大学大学院博士課程修了(Dr.phil.)。現在、早稲田大学等で非常勤講師。専攻は近世ヨーロッパ史(主な研究対象はドイツ、オーストリア、クロアチア)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スプリント

7
東から迫り来るオスマンの脅威にたいして皇帝たるハプスブルク家と議会がどのように対処したのかを政治の仕組みの変遷とともに綴られています。軍費を捻出するための税金をめぐる皇帝と議会、民衆との攻防がよくわかります。2016/03/05

サアベドラ

7
お世話になってる先生が本を出したと聞いて。ハプスブルクの政治が中世的キリスト教的思弁的政治から対トルコ戦を経て実証主義的(データに基づく)政治に転換する様子を描く。この実証主義的政治なるものがオーストリア発祥かというのには少々疑問で、むしろこの手の実利的政治はマキャベリの思想に見られるようにイタリア諸都市のほうが早いのではないかと思ったが、ここら辺の時代の細かいところはよく知らないのでなんともいえない。どうにせよ、オーストリアの対トルコ戦を扱った本は貴重なのでなかなか面白かった。2010/07/03

人生ゴルディアス

3
軍政国境から北上してハプスブルクの本へ。薄さの割に内容がぎっしりで、しかも読みやすかった。政治史はあまり興味なくて放置していたハプスブルクについて、本書で何となく雰囲気は知れた。また、対オスマン戦争についてハプスブルク側からしれてよかった。ブラーフの規約が軍政国境開始してだいぶたってから発布された理由とかも。サブタイトル「政治の発明」の部分については、危機に陥ると現実的にならざるを得ないのは古今東西共通で別にここで発明されたわけでは……と思わなくもないが。参考資料も知らなかった本を知れたのが嬉しい。2019/05/09

富士さん

3
かなり刺激的でおもしろい本でした。計量化に基づく客観化がこのような部分にも現れているのかと驚きでしたし、テーマがしっかりしていて論証過程もわかりやすく読みやすいのが良かったです。思想や科学にも通低するであろうヨーロッパの心性がほの見えてワクワクしました。しかし、ハプスブルク側の努力が評価されればされるほど、そんな強大な力をもっと早い段階に手に入れていたオスマン帝国の謎が深まるのを感じました。ヨーロッパ側と比較して、オスマン帝国側の国家運営の方法に関する著者の考えを示して頂ければより刺激的だったのですが。2013/07/10

Teo

3
冒頭部分でそんなにあっさりウォーラーステインを受け容れちゃっていいの?と言う導入もあったが、それは置いておいて本編はデータに基づいた堅実な論考。一般的なハプスブルクの対トルコ戦争に対する知識は、二度のウィーン包囲をなんとか凌いで最後に1699年のカルロヴィッツ条約を以て決定的にトルコを退けたと言うものだが、その間にハプスブルクがどの様な努力をしたのかを拾い上げ、ハプスブルク帝国がその過程で早々と実証主義的な政治を開始したと言う。ハプスブルク帝国史ですっぽり抜けている対トルコ防衛施策が詳らかになって良かった2010/06/29

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