講談社選書メチエ
江戸歌舞伎の怪談と化け物

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584210
  • NDC分類 774.2
  • Cコード C0321

内容説明

化け猫・妖狐・怨霊・妖怪―怖いけれど面白い娯楽の王様。宙乗り・水くぐり・早替りとさまざまな仕掛けを駆使して観客を恐怖と陶酔に誘う江戸歌舞伎大スペクタクルショーへの招待。

目次

第1章 夏は水中早替り
第2章 玉藻前は人気者
第3章 バケネコ・ミステリー・ツアー
第4章 おばけごっこは、みんな大好き!
第5章 劇場を飛び出す歌舞伎役者
第6章 フランケンシュタインとお岩、そしてその子どもたち
第7章 「化ける女」に化けるのは男
第8章 恋するオサカベ

著者等紹介

横山泰子[ヨコヤマヤスコ]
1965年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院博士課程修了。現在、法政大学工学部教授。専門は歌舞伎を中心とする江戸文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

39
江戸歌舞伎と銘打たれているものの、内容はそれだけに留まらず江戸時代の妖怪や幽霊全般に渡っている。どちらかというと研究書というよりエッセイといった趣が強い。また内容も多岐にわたるせいか、漫然とした印象を受ける。それでも金毛九尾や化け猫の変遷等は初めて知ったし、「化ける女」の歌舞伎における二重性等も興味深い。ただフランケンと四谷怪談等はどうかと思うし、過去の作品をフェミニズムで語るのはどうかと思ったけど…。なによりも著者の語り口が楽しげなのがよろしい。趣味を語る時って人間誰しもこういう口調になりますよね。2013/09/26

やま

3
『フランケンシュタイン』と『東海道四谷怪談』を比較して、男性作家である南北の視線から排除されたお岩さんの母としての側面を掬い出す。触れられていなかったが、当然、事件の場所(伊右衛門浪宅)が鬼子母神付近であることを考えれば、もっとスリリングな解釈ができるはずだ!2014/07/19

qoop

3
様々に変化する役者の一形態として化け物を賞玩し、適度に怖がられる娯楽として怪談というジャンルが発展してきた…と云うのが本書の骨子。妖狐から化猫への人気の移り変わり、怪談見せ物の普及、男怪に比べ女怪が多い理由などなど、肉付け部分も示唆に富む。特に、フランケンシュタインとお岩の比較から女怪の意味を解き明かすくだりなど、興味深く読んだ。また、四谷怪談などの仕掛けは初代林屋正蔵の案に基づくというのは落語好きとして気になる指摘。要チェック!2014/07/04

ekura

0
おもしろかった歌舞伎の男が演じる異形の女が、アンリアルであるからこそ女性性を表現できるというくだりで、マツコ・デラックスを思った。おすピー以来テレビを彩る異形の「彼女」達の毒舌もアンリアルであるからこそ受容されるのであろう。2010/01/20

戦狐

0
江戸の歌舞伎文化の仕掛けや事情を中心に、その演目となる四谷怪談などの形成や変遷が詳しく紹介されています2017/07/18

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