講談社選書メチエ
聖徳太子の歴史学―記憶と創造の一四〇〇年

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583824
  • NDC分類 210.33
  • Cコード C0321

内容説明

「日の本のかやうにあしくなりたるも、皆上宮太子の愚よりはしまれり」―。遺物信仰の対象として熟成した「聖徳太子」に攻撃を加える江戸の知識人。フェノロサ、岡倉天心らの古美術調査がもたらした近代の転回。『日本書紀』の原像にはじまり、現在のコンテクストが成立するまでを描く記憶と創造の物語。

目次

序章 「聖徳太子」か「厩戸皇子」か
第1章 「聖徳太子」の原像
第2章 「聖」はめぐる
第3章 攻撃される「聖徳太子」
第4章 法隆寺の「聖徳太子」
第5章 「古美術」調査から生まれた「聖徳太子」
第6章 子どもたちの「聖徳太子」
終章 「聖徳太子」とは何か

著者等紹介

新川登亀男[シンカワトキオ]
1947年、広島市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程退学。早稲田大学文学学術院教授。専攻は日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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2
聖徳太子は実在したのか、本当に仏の子なのか。そう言った類のことは全部置いておいて、現代の太子像の作られる過程を追った本。なるほど、全ての人の中にそれぞれの「太子」がいたのであって、個々人で太子像が変わるのも納得です。極端な話、ジャージ太子でもかまわないのですよ。2010/04/26

アメヲトコ

1
太子信仰を扱ったものかと思って手に取ったのですが、主題は近代以降の聖徳太子の表象でした。いわゆる「創られた伝統」論で、その視角にはそれほどの目新しさもなく、また全体として図式に当て嵌めすぎな感じもしましたが、科学的実証を売りにした関野貞の法隆寺非再建論の背後にある無意識の呪縛を指摘した箇所などは面白く読みました。2015/06/16

(ま)

0
尸解仙 記憶し創造される聖徳太子頼み 日出処の天子再読するかな2017/03/26

北田斎

0
面白かった。「聖徳太子」像の変遷について焦点が置かれている。また、主に『日本書紀』を典拠とした「史実」に忠実な「聖徳太子」像についても、複数のモデルが統合されているという点は掘り下げてみるべき。『日本書紀』は読み直さないと。2011/09/20

メルセ・ひすい

0
8-30 赤123 聖・ヒジリの循環関係・・ 『聖徳太子』の原像は『日本書紀』のなか。呼称は、一切ナイ。漢詩集『懐風藻』にはじめて出現!する。ただそれ以前から「聖徳」「太子」という呼称は散見する。それが合体か??  「厩戸皇子」の根拠も???である・・江戸時代、「御不埒」と知識人たちの攻撃を受けた聖徳太子。フェノロサ、岡倉天心らの古美術調査がもたらした近代の転回。「日本書紀」の原像から現代までの聖徳太子のイメージの変容をたどる。・岡倉天心・・ 皆で 研究しよう! 近世日本の天才!最高の級の頭脳・色男!も2007/03/18

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