講談社選書メチエ
共視論―母子像の心理学

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583442
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0311

内容説明

蛍、花火、しゃぼん玉。輝いて、そして消えていく対象を眺める母子。象徴を共有し、言語を使用するための基盤となるこの構図を日本人はなぜ好むのか?「共視」する母子を取り囲む「場」の文化とは?精神分析学をはじめ、さまざまな分野の新しい知見をもとに考察する、視線をめぐる人間論。

目次

第1章 共視母子像からの問いかけ
第2章 場の江戸文化
第3章 共に見ること語ること―並ぶ関係と三項関係
第4章 発達心理学から見た共視現象
第5章 視線の構造
第6章 タテ社会における視線
第7章 まなざしの精神病理
第8章 アジアの親子画、日本の浮世絵―育児文化の変容

著者等紹介

北山修[キタヤマオサム]
1946年淡路島生まれ。ロンドン・モーズレイ病院およびロンドン大学精神医学研究所で卒後研修後、北山医院(現南青山心理相談室)院長を経て、九州大学大学院人間環境学研究院・医学研究院教授。専門は精神分析学。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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内島菫

26
本書は、ガロの作家には珍しく(と私には思われる)、男女関係よりも母子関係を核として作品を描き続けた林静一を考えるための一助として読んだ。母子が共に同じ何かを眺めている図像=共視母子像が、西洋にはほとんど見られず浮世絵に多いそうだが、不思議なことに共視する母子の視線は「曖昧さへの信頼」のもとに描かれている。浮世絵の人物がもともと引目鉤鼻で描かれている上、遠近法を無視して眺められているものをも同じ画面に収めているため、視線が曖昧である必要もあったと思われる2018/09/13

bouhito

4
心理学の本というより、浮世絵の新しい発見として斬新だった。表紙の絵のように、浮世絵においては、母と子が「あるもの」を共に視る構図が多い。これには色々理由が考えられるが、たとえば「おんぶ」という文化がその一因でないかと考えられる。2016/03/31

水野

1
北山先生の共に一つのものをみる母子の話と、共同注視による認知発達の話がやっぱり面白い。自閉のひととの絡みとか。共同注視の話はちゃんとやったのは学部以来になるので、今読むとあれこれと繋げられてたのしい。2012/11/09

むなし

1
世界を共に視る事で、人は成長してゆく。2009/06/08

ispanoman

0
複数の著者がかいているが、北山修氏の冒頭の部分のみを読む。2018/02/09

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