内容説明
タテ=上意下達の伝達経路にとどまらず、ヨコ=私人同士のネットワークとウェブ化が花開いた時代。情報量の増大のみならず、手法の革新が新しい知のストックを築く。日本人の情報=知の感覚を育んだ江戸の底力を検証。
目次
第1章 「公」の情報ネットワーク―情報の創出と管理(「公的情報」の環境整備;「上意下達」と「横並び感覚」 ほか)
第2章 「私」の情報ネットワーク―「公的情報」を補う(武士たちのパーソナル・ネットワーク―広がる水平的回路;特定領域での情報網―蘭学から国学まで ほか)
第3章 情報のウエッブ化―新しい情報発信と全国展開(不特定多数への情報発信;ニーズへの対応―速報性と宣伝力 ほか)
第4章 日本的情報伝達の手法―ウエッブ展開を促したもの(「パッケージ」としての歌舞伎;感性情報の魅力 ほか)
第5章 「知」のインフラを創る―情報のストックと組織力(巧みな組織力;多様な「スタンダード・モデル」の創出 ほか)
著者等紹介
市村佑一[イチムラユウイチ]
1937年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院修士課程修了後、NHKに入局。チーフ・プロデューサー、NHKエデュケーショナル代表取締役社長を経て現在、江戸川大学社会学部教授。マスコミ史、メディア産業論
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感想・レビュー
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Go Extreme
2
情報ネットワークの構造: 公的情報ー幕府や藩から発信 政策や命令の伝達に使用 私的情報ー家族や親しい関係者を通じた非公式情報 地域の噂や内密な情報を含む 留守居役ー大名家の情報収集と交換を担う要職 地域動向を把握→藩主に報告 情報の収集と伝達方法: 飛脚制度ー江戸と大坂間で公用便として運用 文書伝達ー官報や法令が文書化され領内の家臣や領民に配布 情報の影響力: 情報は権力維持の鍵 正確な情報→支配の安定 公的情報は信頼性高・私的情報は曖昧→慎重な取捨選択必要 社会的な安定に寄与・域や階級を超えた関係性形成2025/01/22
孤独な読書人
2
江戸時代の人は以外に交流の幅が広いと感じた。2012/03/02