講談社選書メチエ
江戸滑稽化物尽くし

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582650
  • NDC分類 913.57
  • Cコード C0395

内容説明

粋人に憧れる見越入道、幽霊にはめられた「ももんがあ」。ドジで憎めない化物たちが江戸の町を闊歩する。黄表紙に繰り広げられる珍妙な存在を通して、駄洒落・パロディー・諷刺に喝采した江戸っ子の心性を考察する。

目次

第1章 滑稽な化物たち(商品としての化物;怖さが笑いに変わるとき)
第2章 アウトサイダーとしての化物(野暮になった化物たち;江戸の「通」と化物)
第3章 化物の「異文化」と諷刺(異文化と現実の世界;諷刺としての化物)
第4章 江戸の不思議な異類(さまざまな異国;異類合戦物)

著者等紹介

カバット,アダム[カバット,アダム][Kabat,Adam]
1954年、米国ニューヨーク市生まれ。1981年に来日、東京大学大学院総合文化研究科博士課程を経て、現在、武蔵大学教授。専攻は近世・近代日本文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

10
野暮と化物は箱根から先。江戸の人間はそう思っていた。将軍家のご威光で箱根から先に追いやられた化け物達は何とか江戸に行って人間を化かし通人になろうと思って江戸にやって来る。ところが化物達は目を見張る。芝居に行けば役者は変身。夜鷹は若づくりでこれも化けている。夜蕎麦売りには、「こんな時間に歩いているのは化け物しかいない。」とあっさり正体がばれる。散々な目にあった化け物達はもとの住処に帰っていく。化け物は本来恐ろしいものであるはずなのに、ちっとも恐くない。恐くないどころか、ドジであどけなく、陽気で笑いを呼ぶ。2003/07/29

オールド・ボリシェビク

2
面白い。豊富な図版が、理解を助けてくれる。とにもかくにも、くだらない(決して悪い意味ではない)江戸黄表紙の世界が眼前によみがえってくるようで、楽しい仕立ての一冊である。張り切って田舎から江戸に出てくる化け物たちが、ずるい人間たちにだまされ、すごすごと田舎へ帰っていく。ペーソスたっぷりである。著者のアダム・カバットさん、武蔵大の教授だったか。ニューヨーカーがよくもまあ、こんな世界にはまったものだ。「豆腐小僧」の意味のなさにも笑える。2025/02/25

har

2
とても面白い。昔話の怖い化物が、滑稽に、時には愛らしくさえなる江戸。日常品の擬人化。現代のBLにおいて筆記用具や電化製品なんかを擬人化して楽しむことと重なって思えてしまう。古くさいと遠ざけてた昔のものもただ楽しむために作られたと理解したら、その見慣れた発想の面白さに楽しくなってしまう。2011/08/15

印度 洋一郎

2
江戸時代の中期(18世紀末~19世紀初頭)に盛んになった大衆文学「黄表紙」にみる、化け物達の世界。人間社会に興味津々で、最先端の流行を知りたくて江戸にやってきては騒ぎを起こす、愛すべき化け物達は後世の漫画やアニメの先駆けのような存在だ。人間が化け物の国を探検する話や、化け物の国での化け物達の物語など、様々なバリエーションもあったらしい。図版も豊富で、イマジネーション豊かなキャラクターデザインを堪能出来る楽しい一冊だ。20世紀のオバQやゲゲゲの鬼太郎のように、昔の日本人も妖怪と親しんでいたのだった。2011/02/01

めめたぁ

1
江戸の文化がユーモラスな文学を通じて浮かび上がってくる。外国の方の視点は外から見てるからだろうか、鋭い。そこも面白いところ。2009/02/06

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