内容説明
人間社会を悠々と俯瞰する巨鳥「大鵬」がいる。貧窮の中に生き生きと暮らし、反権力を貫く賢者がいる。濁流の上を平然と泳ぐ達人もいる―。世俗を脱しきれない我々人間に、二千数百年の時を超えて驚きと感動を与え続ける「荘子」の思想の核心とは。天地自然の「道」を説く「大いなる智慧」に迫る。
目次
第1章 大鵬の寓話―世俗世界の超越
第2章 荘子の生涯―清貧自適の人生
第3章 荘子の思想形成―恵子との問答
第4章 荘子思想の核心―斉物の理論
第5章 道の体得―達人たちの世界
第6章 荘子の死生観―生死の超越
著者等紹介
蜂屋邦夫[ハチヤクニオ]
1938年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。同大学大学院人文科学研究科比較文化専攻博士課程満期修了。東京大学東洋文化研究所教授を経て、現在、大東文化大学教授、東京大学名誉教授。専攻は中国思想史
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感想・レビュー
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竜王五代の人
1
荘子の背景(愚か者の集まり扱いされる宋の出身であったとか、数学者的な発想をする恵子と切磋琢磨する間柄であったとか)も含め、スケールが大きく、比喩に巧みで、ものの見方が大きい(逆に言えば、実業にはこだわらない)「荘子」の読み方を整理してくれる、なかなかよい本であった。2023/10/24
MECABOO
0
●荘子の思想を完結に纏めていて分かりやすいが、全容をもっと詳しく知りたい場合には向かず、むしろ、一度は荘子に触れたことがある人が、再度自分の荘子観を振り返りたい場合に参考に出来る本だと思う。2012/11/23