内容説明
神は無限である。人は有限である。しかし、神は人に成り、人は神に成ることができる。ギリシャ正教のテーゼを現代数学で読みかえるとき、東方二〇〇〇年の智恵が新たな知として甦る。宗教と数学のクロスオーバー=数理神学が切り拓く、二一世紀における宗教の可能性。
目次
第0章 なぜ、今「ギリシャ正教」なのか
第1章 ギリシャ正教
第2章 三一論
第3章 パラミズム
第4章 神の集合論
第5章 神の濃度
第6章 神の公理系
著者等紹介
落合仁司[オチアイヒトシ]
1953年、東京都生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、同志社大学経済学部教授。専門は、宗教学、数理神学、東方キリスト教学
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
ギリシャ正教の特性: 人間の神化ー神と一体になる可能性 聖霊の重要性ー神との一致を可能にする存在 東西キリスト教: フィリオクエ問題ーギリシャ正教・聖霊は父から発出する⇔西方キリスト教・父と子から発出する 神学的対立 宗教の命題と矛盾: 宗教の矛盾ー宗教の本質 数学との関連ー数学の言語で表現→論理的に検証可能 アトス山ーギリシャ正教の中心地 ギリシャ文化とキリスト教: ヘレニズム文化の影響 キリスト教の受容←文化的な共通点 神の本質と実存: ウーシアとヒュボスクシスの区別 神の無限性ー実存は理解しがたい2025/01/26
工藤 杳
0
どうも、宗教という領域に土足で上がられたような感覚を否めない。あと書きで著者が触れていることだけれど、西欧の分析的思考をこそ、ソロヴィヨフは批判したのではなかったか(もちろん、それだけではなかったが)神とは無限だ、それは良い。だがあらゆる無限は神であるしかないのだろうか(という疑問はナイーヴすぎるだろうか)2017/04/14
小澤 泰裕
0
所謂數理神學の入門書だが、著者の數學の素養が低いため説明がアバウトで讀むのに苦勞した。2012/12/23