講談社選書メチエ<br> “玉砕”の軍隊、“生還”の軍隊―日米兵士が見た太平洋戦争

講談社選書メチエ
“玉砕”の軍隊、“生還”の軍隊―日米兵士が見た太平洋戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582032
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0331

内容説明

降伏しない日本兵、「降伏は名誉」のアメリカ兵。「バンザイ突撃」は、「9時から5時まで戦う」GIには自殺行為だった。究極の文化衝突としての戦場で両軍兵士は互いの認識をどう変えたか。両者の思想と行動を比較文化的観点から考察する。

目次

序章 戦争と死
第1章 軍隊と社会
第2章 市民から兵士へ
第3章 戦場の日本軍兵士たち
第4章 戦場の米軍兵士たち
第5章 玉砕の軍隊と生還の軍隊

著者等紹介

河野仁[カワノヒトシ]
1961年、山口県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程前期課程修了。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了。Ph.D(社会学)。現在、防衛大学校助教授。専攻は軍事社会学、歴史社会学。旧軍組織に関する研究に加え、最近は自衛隊組織のPKO活動や女性政策にも研究テーマを広げている。主な著書に、『近代日本文化論10 戦争と軍隊』(共著・岩波書店)、『「近代日本」の歴史社会学』(共著・木鐸社)などがある
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感想・レビュー

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おかむら

35
太平洋戦争の日米元兵士にインタビュー。軍隊に入る前の生育歴、入隊の経緯、入隊後の生活、そして実際の戦場での行動・心理を徹底分析。学術書っぽい硬めの本ですがめっぽう面白かった! 特にアメリカ側のインタビューはへえー、そうなんだ!と戦争モノの映画を観るときに役に立つわ。「真珠湾って、いったいそりゃどこだ?」というようなノースダコタの典型的田舎少年が戦場で見たものは! 比較文化から見た軍事社会学って面白いなー。2016/12/19

富士さん

3
企業活動を調べていると、やっぱり生産性とかやる気を最終的に決めるのは第一集団だろうと思い、敷衍する具体例を探して本棚から発掘。読み直してみると、歴史書と言うよりは質的調査の報告書と言った趣で、予想以上に社会学している本でした。アソシエーションというものは、まとまりを維持したまま現実にもまれて運用され続ければコミュニティーになるものなんじゃないでしょうか。多面的な人間が原子である組織をわずかな目的で説明するのは、理解のための尺度でしかない。戦場での軍隊は敵すら含めて端的にそうなって行っているように思います。2017/07/04

ひろただでござる

3
命令には絶対服従と思っていた日本兵も、いたるところで命令不服従をしていたとは思わなかったし、「バンザイ突撃」を自殺的行為であっても一縷の望みをかけた「生き残る」ための手段、とは思いもかけなかった定義付け。命令権者の権威の葛藤はなるほどとは思うが、辛いものがあるなぁ。2014/02/09

takao

2
 日米の違い2019/11/24

Go Extreme

1
玉砕の軍隊、生還の軍隊 日米兵士、死生観の比較文化 戦争の産業化と総力戦時代 動員社会ニッポン、徴兵制成立 志願社会アメリカ、民兵制の伝統 日本兵、入営までの社会化 日本兵の兵営、私的制裁と規律 アメリカ兵、州兵と志願背景 米兵の兵営、多様性と集団形成 戦場の砲火、初年兵の衝撃 日本軍、攻撃精神と白兵主義 戦闘意欲、天皇より郷土・家族 指揮官と部下、タテの絆の力 玉砕思想、恐怖否認の機能 戦陣訓、無降伏主義の実態 餓島、生存競争と兵士の現実 玉砕神話崩壊と降伏の選択 米兵、未知の敵日本軍との戦い2025/05/26

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