内容説明
「近代の知」最大のアポリア、「二元論」。その難関を西田は、判断以前、主観‐客観以前、「色を見、音を聞く刹那」を摘出することで、ラディカルに乗り越える。『善の研究』が創出し、生涯のキータームとなった「純粋経験」を中心に、西洋哲学の「脱構築」を目指した、西田「ポストモダン」哲学の全貌に迫る。
目次
序章 西田幾多郎の世界へ―その生涯を追って
第1章 純粋経験とは何か
第2章 二元論批判としての純粋経験論
第3章 経験とことば
第4章 「もの」と「こと」
第5章 西田の芸術論
第6章 自己への問い
終章 その後の西田へ