内容説明
保元の乱から鎌倉幕府成立にかけて、つねに敵役であった「偉大なる暗闇」。はたして、後白河は権謀術数のかぎりをつくした「日本一の大天狗」だったのだろうか。本書は、文化創造の場や、精神史の暗部にまでわけいり、現実の向こうにこの政治的巨人が透視していた可能性を鋭く指摘する。王権の転換・再生を軸に、東アジアの知的交流にまで眼くばりした力作論文集。
目次
第1章 後白河論序説
第2章 後白河王権期の都市京都―『方丈記』に見るイメージ
第3章 中世国家の成立
第4章 『参天台五台山記』―日宋交流史の一断面
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
8
志半ばで亡くなった棚橋先生の論文を、盟友である高橋先生がまとめあげた遺稿集。論文というけれど、エッセイっぽいところもあり、表現もまわりくどくてちょっと読みづらい。「少年の心を持ち続けた」後白河。「無礼に及ぶも景味あり」で「爆竹かクラッカーが頭のてっぺんではじけた」頼長。…ごっしーの周囲を論ずるたび、結びで必ず先生「もう疲れたこいつら面倒くさい」的な一文をいれてるのに、ごっしー本人に関してそれがないのはやっぱり対象物への愛なのか…。2018/12/09
kurayamadasoga
3
後白河法皇に直接関係ない内容が大部分を占める。内容にピッタリ合う、適切な表題があっただろう。お奨めはできない部類の本でした。2013/08/15
吃逆堂
1
早世した気鋭の研究者の遺稿集。文章も実証もエネルギーに満ち溢れており、学問はこんなにも自由なものなのだと改めて気付かされる。2015/04/02
鈴音
0
ものすごく主題に興味があるというわけでもないので、前段部分の文章が長過ぎてちょっと疲れた。これから手を取る人はそこは後回しで読んだ方がよいのかも。2012/06/20
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