内容説明
十四世紀、元朝が中国から撤退した後、中央ユーラシア草原は歴史の舞台から消えてしまう。しかし、モンゴル帝国の後裔たちは、各地で強大な遊牧王権をつくり、独自の文化を形成していた。そして十七世紀、ジューンガル部は大遊牧帝国を築きあげる。さまざまな言語の史料を駆使し、誰も語れなかつたオイラト民族の歴史を鮮明に描き出す意欲作。
目次
第1章 ジューンガルのガルダン、清軍に敗れる
第2章 モンゴル帝国の伝統
第3章 モンゴルとオイラトの抗争
第4章 オイラト部族連合と新しいモンゴル
第5章 十七世紀のオイラト
第6章 ジューンガル部の覇権
第7章 ジューンガル部の滅亡、その後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆまち
3
モンゴル帝国以降近代までの草原の歴史について、それもオイラト民族について。チンギス・ハーンの直系子孫ではないのにハーンを称した人々の物語。目から鱗ぽろぽろです。しかしチンギス統原理は20世紀初頭までしぶとく生きていた。連想は自然、内モンゴルのデムチュクドンロブ(徳王)に飛ぶ。そんな思いで後書を目にすると、著者の父親は戦時中に満鉄のお抱え学生であったが終戦を迎え、ついに大陸雄飛の夢は叶わなかったとある。そんな背景事情は知る由もなかったが、ここ最近の自分の読んできたものと妙に繋がるエピソードではあった。2011/01/18
富士さん
2
初めて読んだ時は、いっぱい出て来る長くてよく似た人名、広すぎてイメージしづらい地名、そんなこんなに圧倒されて通読するのが精一杯でしたが、改めて読むとかなり興味深い内容でした。ユーラシア大陸の中心から海を見下ろす歴史観で解釈すれば、そもそも清朝は遊牧民の国であり、ロシアは遊牧民国家の後継者であるとなり、本書の終わりから直接近代につながります。モンゴルのその後はノモンハン事件にもつながっています。本書は丁寧に歴史をたどることで、沿海定住民に支配された歴史に全く違った軸から修正を迫っているように思います。2016/10/23
maqiso
1
遊牧民のリーダーが広大な地域を支配したあとすぐに帝国が分裂するさまが繰り返されている。チベット仏教やロシアが深く関わるの面白い。馴染みない固有名詞が多くて読みにくいが。2018/11/25
kyhitsuji
1
学校の世界史では扱わない範囲である元朝が北京から追い出されてからその後のモンゴル帝国とオイラトの興亡。遊牧帝国の衰退の原因は簡単に言うと徹底した実力主義だったのため内乱だらけになり衰退していったという事でした。ジューンガルは大砲・鉄砲などの火器を当時最高の軍事技術を持っていた遊牧民だというのが意外で驚いた。 メモを取らないと分らないくらい難しかった(汗)2014/08/24
印度 洋一郎
1
いわゆる元朝が明朝によって中原を追われて以降の、ユーラシア中央部における遊牧民族の興亡という、世界史の空白みたいな分野についての本。元は滅亡しておらず、本拠モンゴル高原に戻って、いわゆる「北元」となるが、やがてモンゴルに服属していたオイラト部が台頭し、18世紀まではオイラトによる巨大な遊牧民族政権がモンゴルから中央アジアまでを支配していた。読む時には、広大な舞台を表示する地図、血統を重んじる遊牧民社会を理解するための系図、そして地名・人命の索引が必要。時系列が前後したりと読み易くはないが、貴重な一冊だ。2011/04/18
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