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内容説明
私たちの体を形作る60兆個の細胞。その微小世界に魅入られた研究者たちによって、生命の謎は今や分子レベルで解き明かされつつある。世界で最初の細胞図からiPS細胞の誕生まで、発見の歴史をたどりながら生命の不思議に迫る。
目次
細胞の発見者は誰か?
生物学に革新をもたらした電子顕微鏡
細胞生物学と「膜」の発見
ゴルジ装置は細胞の魚河岸
ミトコンドリアの反乱
伊東細胞をめぐるミステリー
唾液に潜む謎の物質を探せ
病気が教えてくれた細胞の働き
発見に貢献した不思議な細胞たち
生命をつかさどる分子モーターを捉えた
夢の細胞―iPS細胞の誕生
著者等紹介
山科正平[ヤマシナショウヘイ]
北里大学名誉教授。1941年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業、同大学難治疾患研究所、京都大学医学部助教授を経て1981年より北里大学教授。専門は顕微解剖学。電子顕微鏡をはじめとする多彩な顕微鏡法を活用して、細胞の分泌機構や組織発生の研究に従事。1994年、日本電子顕微鏡学会賞(瀬藤賞)受賞。日本顕微鏡学会会長、日本解剖学会機関誌Anatomical Science International編集長を務める。2007年に北里大学を退職後、埼玉医科大学、青山学院大学で客員教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
7
電子顕微鏡...確かに私の子どもの頃にはまだまだ身近にはありませんでした。現在だと私の分野であっても大きな研究室では自前で持っていたりするようです。そしてこれが細胞の研究に大きな役割を果たしたようで...言われてみればそうだろうとは思いますが、これまであまり認識してはいませんでした。2011/11/01
JUN0110
3
永遠に生き続けるヒーラ細胞。どんなに困難なことでも、いったん誰かが成功すると、その線まで到達することがそれほど困難ではなくなる2015/07/16
こにいせ
3
福岡伸一の本を楽しめたのなら、この本も楽しんで広く読まれるはず。というか、専門とする分野の類似性以上に、本書の著者と福岡伸一には大変似通った点がある。一流の科学者は優れた「語り部」であり、読者を『自分のフィールド』に引きずりこむだけの言葉の力を持っている、ということだ。もう一つ。一流の科学者は、一流の技術者でもある。これは結構忘れがちなことだった。2010/04/05
Marie
2
細胞生物学の近代史をコンパクトにまとめた本。「生物は細胞で出来ていて、細胞は膜に包まれていて、細胞の中にはさらに小さな器官があって……」 生物の教科書の一番初めに書かれているようなこれらの事柄はどのようにして発見されたのか? 電子顕微鏡開発の経緯や日本人の名を冠する細胞「伊東細胞」、ノーベル賞を受賞したGFPやiPS細胞など、日本人が関係するのエピソードもいくつか。2014/01/27
macho
2
外(宇宙)に向かうドラマがあれば内に秘められたドラマあり。秀逸!2013/10/26