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ブルーバックス
量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在

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  • サイズ 新書判/ページ数 324p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062576000
  • NDC分類 421.3
  • Cコード C0242

内容説明

「意識をもつ観測者」が状態を収縮させる力を認めるか、自分のコピーが無数に存在することを受け入れるか―。長らく信じられてきた「コペンハーゲン解釈」に代わり、最近の実験は「多世界解釈」を明確に支持している。本書は、解釈問題の歴史を丁寧に振り返ったうえで、並行世界を利用して“爆弾”を検知しているとしか思えない驚きの実験などを紹介しながら、なぜ「多世界解釈」が合理的なのかを論証していく。

目次

不思議な世界
従来の描像に固執すると
推論による収縮
拡大されたホラー物語
先人の証言
ヒルベルト空間に移動せよ
望まれる局所性
多世界への導入
多世界を利用する1―信じがたい観測
多世界を利用する2―量子コンピュータ
多世界解釈の推進者たち
多世界の恐怖
古典戦士―ロジャー・ペンローズ
新時代の戦士―アントン・ツァイリンガー
多世界解釈の証明と改良

著者等紹介

ブルース,コリン[ブルース,コリン][Bruce,Colin]
欧州宇宙機構で研究活動に従事しながら、オックスフォード大学で量子力学の多世界解釈についての先端的な研究に携わる。物理や数学の問題を探偵小説ふうに解き明かせる数少ない書き手として、多くの著作がある

和田純夫[ワダスミオ]
1949年生まれ。東京大学物理学科卒業。理学博士。文部省研究奨励員、ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所研究員、ボローニャ大学国立原子物理学研究所研究員を経て、現在、東京大学教養学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

39
先に読んだ本がエンタングルメントについて徹底して追求していたのに対して、この本は多世界解釈について、ほとんど哲学に近くなるまで掘り下げた本。ここに紹介された実験を信ずるなら、私たちは平行(並行)世界の存在を認めざるをえない。ということを主張しているようだ。ヒルベルト空間について、わかった気にさせてくれたのがありがたい。「無限次元」と聞いて尻込みする必要なし。2017/07/27

KAZOO

18
都筑卓司さんの書かれたようなものかなあと感じました。それよりも高度なのですが、一般的な力学の話ではなく私にはかなり難しいと感じられました。それでも難しい数式などはほとんどでてこないのですが、基本的な知識が不足しているのでしょうね。もう少し基本的な部分を勉強してから読み直したいと感じました。2014/08/09

まつど@理工

6
先輩に物理の面白い本を聞いたら「現在量子力学解釈で勢力を強めてる他世界解釈へのいい導入になる本」と聞いて読んでみた。//さっき読んだ茂木健一郎の「考える脳」という本に数学のサヴァンの人の話があったが、数学に熱中して気づいたら朝になっていたそうだ。もし天才ですらそれだけ長い時間集中しないと見えない「世界」がある。僕はこれまで数学を一本道で考えすぎたかもしれない。線形代数を勉強してるときもたくさん脱線して宝物を取ることができた「世界」も存在するのかもしれない。今からでも遅くない。2013/08/16

NICK

6
量子力学といえばシュレーディンガーの猫に代表されるように、観測者によって電子が観測された瞬間に事態が一つに収縮していく、というような理解だったのだが、これはコペンハーゲン解釈と呼ばれる古い解釈であるらしい。最新の学説によれば、そうした確率論的解釈ではなく、電子や光子の絡み合いや干渉性の喪失が並行世界、並行宇宙の存在を示唆しているという。つまり、今ある世界はありえたが成立しなかった数多の可能世界の上に成り立っているというのだ。まるでSFである。世界全体が偶有性という幽霊に憑かれているのか2013/05/23

あすたりすく @本の虫

4
読んでみて、ニュートン力学とは考え方の次元が全く違うと、改めて思いました。ミクロの世界は考えれば考えるほど謎ですね。SFで出てくる量子コンピュータもかなり未来の世界の話になりそうだと思いました。2013/08/27

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