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夢の科学―そのとき脳は何をしているのか?

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  • サイズ 新書判/ページ数 218,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062574266
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0247

内容説明

フロイトは間違っている!脳の活動状態をリアルタイムでみられるようになって、夢の研究は大きく進歩した。最新脳科学で探る夢の正体は、フロイトがいうような、抑圧された欲望が現れているのではなく、睡眠中に自己活性化した脳の正常な精神活動である。

目次

第1章 夢研究のパラダイムシフト
第2章 『夢判断』から科学へ
第3章 睡眠中の脳の活性化
第4章 夢みる脳の分子生物学
第5章 なぜ夢をみるのか?
第6章 睡眠障害・夢障害
第7章 夢と精神疾患
第8章 夢研究のための神経生理学
第9章 夢・学習・記憶
第10章 夢という“意識”
第11章 脳科学時代の夢判断

著者等紹介

ホブソン,アラン[ホブソン,アラン][Hobson,J.Allan]
ハーバード大学医学部教授。同大学附属マサチューセッツ精神衛生センター神経生理学研究所所長。医学博士。1933年生まれ。神経生理学に基礎を置いた意識や睡眠の研究から、精神疾患の治療まで幅広く活躍している。多数の優れた研究論文や総説の他、一般向けの著書も多い

冬樹純子[フユキジュンコ]
東京理科大学薬学部卒業後、研究者である夫の仕事の関係でアメリカ、さらにカナダに移る。その間、特許や科学論文の翻訳にたずさわる他、トロント大学生理学部修士コースで学ぶ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Vakira

41
人間は生物として進化の過程で睡眠を必要としてきた。その睡眠中に脳が活発活動するのがレム睡眠だ。睡眠時に眼球が動くことからレム睡眠と呼ばれる。数々の実験からレム睡眠時に夢を見ていることが判ってきた。マウスの実験ではレム睡眠をさせないように物理的に起こしておくとやがて毛は抜け落ち、体内の微生物が増殖し死に至る。人間では実験が出来ないがレム睡眠は生きていくために必要なシステム。進化の過程で自己意識と夢を獲得。夢を見るといった現象は意識があってこそ存在する様だ。従って「我夢見る ゆえに我あり」2019/03/06

白義

9
実は新書サイズで読める一番徹底的なフロイト、精神分析批判かもしれない。神経科学の手法で夢から神秘のベールを剥ぎ取り、それが解釈すべき深淵などではなく、ただの脳内成分の変化による情動と連想の突出、過剰だという。そうしたシステマティックな夢、睡眠観から意識という状態の探求もほのめかす、かなり本格派の本。夢とは、化学的には脳が毎晩見せるただの器質性の精神疾患、狂気に過ぎない。ただし、生物学的な必然性を持った狂気だ。精神分析、解釈学的な精神世界とは対極に位置する刺激的な一冊2011/12/29

hakootoko

7
知覚にしろ、想像にしろ、想起にしろ、夢見にしろ、脳がイメージを構成するのであるから、夢の脳科学を読めばなんか面白いこと書いてないかと思ったが、期待より、睡眠科学全般のほうへ興味がわいた。2021/09/08

四ツ谷

4
これまでずっと夢についてフロイトを支持してきた自分にとっては刺激的な内容を綴っていた著者が気になり手に取った。夢を見るには言語や命題思考•表象的思考を必要とする。全ての脊椎動物にレム睡眠が存在するとはいえ、夢の形を成すには上位脳の神経回路の発達が必要。難解な夢を見るのは何かの暗示ではなく、自ら夢の中で作話し演じているに過ぎない。そして、悪夢を見るのは健全な精神活動なのだとちょっと安堵した…(ヽ´ω`)2021/04/04

村部

2
脱フロイト。心理学から神経科学へ。睡眠と夢を科学的に解説する良書。2003年の本なので、今は最先端ではないかも知れないが、夢についての基礎はしっかり学べる。同著者の『夢に迷う脳』も合わせて読みたい。2011/06/18

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