内容説明
日本の世界史の教科書にものっているフランス革命の陰に、フランス史上最大のミステリーがあった。フランスでは約200年の間、この謎を解くべく様々な推理がなされてきたという。フランス革命に散った悲劇の一家、ルイ16世と王妃マリー・アントワネット、そして2人の子供たちの真実の姿と王子の死に関する疑問を、フランス在住のノンフィクション作家が解き明かす。
目次
まえがき フランス歴史上最大のミステリー
第1章 革命の予兆
第2章 不幸の始まり
第3章 タンプル塔の少年
第4章 少年の死と埋葬の謎
第5章 囁かれつづける生存説
第6章 真相究明の鍵
エピローグ ついに解けたルイ十七世の謎
著者等紹介
川島ルミ子[カワシマルミコ]
東京都に生まれる。英語習得のためハワイ大学に短期留学。その後渡仏し、ソルボンヌ大学でフランス語を学ぶ。エコール・ド・ルーヴルで一般美術史を学ぶ一方、ソルボンヌ大学でギリシャ彫刻史の講義を受け、美術史、歴史・文化を中心とした執筆活動に入る。日仏のテレビ番組制作に携わる他、日本の雑誌での執筆やフランス人アーティストの日本におけるエクスポジションのキュレーターを務め、日仏文化交流に情熱を注いでいる。ナポレオン記念協会会員。フランス芸術記者協会会員。ファム・フォロム(フランスで活躍する女性の会)会員。パリ在住
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感想・レビュー
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鈴
25
最近、どはまり中のマリー・アントワネット。今回は、悲運の王子、マリー・アントワネットの息子がテーマのため、マリー・アントワネットが処刑されるまでは簡潔にまとめられている。ルイ17世がどんな悲惨な最期だったのかはある程度知っていたが、どうやらそれは王子ではなく身代わりの少年であり、王子は逃亡してどこかで生きているという説や、他にもいろんな説があり、とても興味深かった。2000年になってようやく、遺髪などからDNA鑑定をすることになり、結果明らかとなった。2015/02/19
シルク
12
1795年、ひとりの少年が死んだ。彼のからだはボロボロだった。長年の虐待に、少年のからだも心も、とっくの昔に壊れていた。薄暗いタンプル塔で、父もおらず母もおらず、長年自身の排泄物と蚤、しらみ、ネズミにまみれ、一室に閉じ込められてきた少年。彼はひとり苦しんで、逝った。10歳だった。……医師ペルタンが、解剖の為遺体と対面する。生きていた時から膨れ上がっていた膝は、腫瘍だらけ。脳は発達していた。こどもとは思われない、やつれきった死顔。「世が世なら、ルイ17世として王座に座っていたろうに」と彼は思ったか、どうか。2018/10/06
サラとにきぴょん\( 'ω')/
8
フランス革命により国王ルイ16世、王妃マリー・アントワネット、その子マリー・テレーズ王女、ルイ・シャルル王子が辿った経緯を簡単に紹介。特にルイ・シャルル(ルイ17世)は10歳で獄死したはずだが、それが本当に本人だったのか、生存説は事実なのか……といった200年来の謎が2000年4月フランスにてDNA鑑定で解明されたことを記載。解明といっても獄死した少年が誰だったかがわかっただけのようだが、それでも非常に胸が痛んだ。政治とは、正義とは何なのかと思った。2022/03/24
リトル★ダック
4
2004年に1795年に亡くなったルイ・シャルルの真実が判明。当時の記録を見ると、8歳の子供に革命政府が行った仕打ちはひどすぎると思いました。2008/12/29
ミット
3
ルイ・シャルル王子のその後を知ることができました。が、彼の人生は痛ましいばかり。もっと早く助けてあげて欲しかった。王子の生存説に関するマリー・テレーズ王女の対応は正しかったんですね。とても悩んだと思うけど非常に冷静ですごい。2015/10/17