内容説明
中部ヨーロッパは、東フランク王国から神聖ローマ帝国となり、諸侯が競いあいながらも領地を広げていった。やがて抬頭したハプスブルク家により皇帝位は長く世襲され、“戦争より婚姻”によって勢力を拡大したことは有名である。ゲルマン、スラブの諸民族が、深い森、険しい峰、美しい湖、草原で育んだ夢と、強大な軍事力を培って世界を動かしていった軌跡を華麗な宮殿、司教館や庭園、ウィーンをはじめとする諸都市の佇いに辿る。ヨーロッパの奥行きがわかる一冊。
目次
第1章 ドイツ―多くの領邦国家からなる歴史が育んだ文化(ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群―軍事国家プロイセン王国に花開いた繊細で優雅なロココ様式;バンベルクの街―バロック様式の建物で街全体が彩られたかつての司教都市 ほか)
第2章 オーストリア―栄光の歴史がうんだ華華なバロック建築(ザルツブルク市街の歴史地区―塩の交易で大きな繁栄を遂げた司教座都市の面影;ウィーン歴史地区―神聖ローマ帝国の首都としてその名をヨーロッパに轟かせた文化都市 ほか)
第3章 チェコ―民族闘争の歴史がみせる多彩な文化(プラハ歴史地区―神聖ローマ帝国の首都として大きく発展したチェコ随一の美しい都市;チェスキー=クルムロフ歴史地区―石畳の道と赤い屋根の建物がみせる中世のたたずまい ほか)
第4章 ハンガリー・スイス―落ち着いた古都と自然豊かな国際都市(ドナウ河岸、ブダ城地区とアンドラーシ通りを含むブダペスト―度重なる破壊にも耐えたハンガリー人の心意気;ホッローケーの古村落とその周辺地区―時代に流されることなく民族の誇りが守ってきた伝統と文化 ほか)